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組込みシステム技術協会,中級技術者向けの組込みソフトウェア技術者試験を2013年に開始
ニュース 2012年12月12日
一般社団法人 組込みシステム技術協会(JASA)は,2013年第3四半期より,中級技術者のスキルを評価する試験「組込みソフトウェア技術者試験(ETEC)クラス1」を実施する.既に出題範囲の検討を終えており,2012年内に問題の精査を始める.2013年第1四半期にベータ試験を実施し,2013年第3四半期から本格的に運用を開始する予定.
かつては組み込みソフトウェア技術者の数の不足が問題となっていた.2005年6月に独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が公開した「2005年版 組込みソフトウェア産業実態調査 報告書」では,組み込みソフトウェア開発に従事する技術者が17万5千人(推定)であるのに対し,さらに約7万人が不足しているとされた.そこで,組み込みシステム分野の業界団体である組込みシステム技術協会は2006年に,初級技術者の育成とスキル評価に活用できる試験制度「組込みソフトウェア技術者試験(ETEC)クラス2」を創設した.
ETECクラス2は,主に組み込みソフトウェア開発についての知識を問う試験であり,初級技術者として必要とされる能力(詳細設計やコーディング,デバッグといった実装作業を上司の指導の下に遂行できる)がどの程度あるのかを,数値で評価する.
これに対して現在は,実装作業については海外へのアウトソーシングが進み,国内では実装作業を担当する初級技術者よりも,製品企画や上流設計を行える中級以上の技術者やチーム・リーダの役割を担える人材が必要とされるようになった.そこで,中級技術者のスキル評価に活用できる試験として「ETECクラス1」を提供することを決めた.ここでいう中級技術者とは,情報処理推進機構が公開している「共通キャリア・スキルフレームワーク」のレベル3およびレベル4に相当する.
ETECクラス1では,システムの分析や仕様の具体化,プロジェクトの遂行などを行える知識と能力を問う.具体的には,仕様・設計に関する「分析」,仕様・設計と管理に関する「理解・表現」,またそれらについての「知識」という三つのカテゴリについて出題する予定.なお,ETECクラス1を受験するためには,ETECクラス2試験を受験して500点以上を獲得している必要があるという.
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