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製造中止の半導体製品をメーカに代わって提供するメーカ認定企業が日本市場に参入
ニュース 2012年11月22日
米国Rochester Electronics社は,組み込み技術に関する技術展示会「Embedded Technology 2012」に初出展し,同社のビジネス・モデルをアピールした.同社は,半導体メーカと契約して,製造中止になった半導体製品の受託販売や継続生産を行っている.現在,米国Intel社や米国Freescale Semiconductor社,米国Texas Instruments社,スイスSTMicroelectronics社などを含む60社以上の半導体メーカと契約を結び,認定を受けている.ただし,日本の半導体メーカとはまだ契約に至っていないという.
同社は,製造中止になった半導体製品の製品在庫(完成品とウェハ,ダイ)をメーカから買い取り,同社の倉庫に保管する.製品在庫はすべてメーカから認定を受けて直送されたものであり,製品履歴の追跡が可能である.在庫の受託販売のほか,ウェハやダイを使った継続生産も行う.パッケージングやアセンブリ(組み立て)は,同社または米国Amkor Technology社や京セラ,三井ハイテックなど14社のパートナ企業が行う.現在同社は50億個以上,15万種類の完成品を保管している.また,100億個以上のダイを保管しており,これを使って2万種類以上の半導体製品を生産している.
このほか,半導体メーカから設計情報やテスト・プログラムなどを譲り受けて,オリジナル製品のピン配置および動作周期を正確に再現した製品の再生産も行っている.生産は,米国Fairchild Semiconductor社や米国ON Semiconductor社などのパートナ企業が行う.再生産を要望する顧客は,主に軍事や航空,宇宙,通信,医療関連など,長期の製品寿命を必要とする分野に多いという.
近年,市場には,メーカの正規品でない偽造チップが出回っており,チップの不良のせいで機器が正常に動作しないというトラブルがよく起こっているという.同社は2006年より偽造防止啓発活動に乗り出し,米国半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)に偽造防止タスク・フォース(ACTF:Anti-Conterfeiting Task Force)を発足させるなど,積極的に活動を行っている.
日本での活動は2011年から本格的に開始し,2012年1月,東京都新宿区に日本オフィスを構えた.日本の半導体メーカとの契約を目指し,アヴネット・ジャパン,富士エレクトロニクス,菱洋エレクトロといった代理店を通じて働きかけを行っている.
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