CadenceがOrCADの新版を発売，回路シミュレータの性能が最大20％向上

　米国Cadence Design Systems社は，回路設計システムの新版である「OrCAD 16.6」を発売する．内蔵する回路シミュレータ「PSpice」の性能が最大20％向上した．また，シミュレーションの収束性も改善した，これにより，大規模な回路，あるいはMOSFETやバイポーラ・トランジスタの複雑なモデルも扱いやすくなったという．こうした改善は，マルチコアのコンピュータに合わせて回路シミュレータを最適化することで実現した．

　また，伝送線路解析ツール（OrCAD PCB SI）と回路図エディタ（OrCAD Capture）の間の連携を強化した．レイアウト前の回路トポロジや設計制約の検討，ノイズの解析が容易になった．さらに，回路図エディタに対応していたTcl言語によるカスタマイズ機能の適用範囲を回路シミュレータまで広げた．回路シミュレータが備えているデータや機能をカスタマイズしやすくなった．

　これとは別に，同社のプリント基板設計システムの新版「Allegro 16.6」も発売する．Allegroは，PSpiceと共通の回路シミュレーション機能を内蔵している．Allegro 16.6は，米国Microsoft社のクラウド対応のプロジェクト/ドキュメント管理ツール「SharePoint」を採用している．これにより，複数の拠点での開発業務やプロジェクト管理，データ管理が容易になるという．

　いずれの設計システムも，2012年第4四半期に出荷を開始する．