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1/6模型の街から人形を救助する「レスキューロボットコンテスト」を神戸で開催,2013年は東京予選も
ニュース 2012年8月2日
2012年8月11日(土)~12日(日),神戸サンボーホール(神戸市中央区)にて,災害救助をテーマにしたロボット・コンテスト「第12回レスキューロボットコンテスト」の競技会本選が開催される.大学や高専を中心とした14チームが参加し,ロボットを操縦して模型の街に取り残された人形の救助を競う.コンテストのほかに,ロボットの操縦体験や工作教室,震災復興応援特別企画としての講演や展示なども実施される.入場無料.主催はレスキューロボットコンテスト実行委員会,兵庫県,神戸市,神戸商工貿易センター,読売新聞社.
コンテストの内容は次のようなものだ.会場中央に,大地震で倒壊した市街地を模疑した1/6スケールの「実験フィールド」(約9m×約9m)が設置されている.実験フィールド内には坂道や高台,歩道橋,凹凸のある地面などがあり,路上にガレキが積まれていたり,倒壊した家屋を模したガレキや倒れた柱を模したガレキなども設置されている.その中には要救助者を模疑した人形(通称ダミヤン)が数体置かれている.人形の設置場所は目視で確認できるが,見えない場所にも埋没している可能性がある.2次災害のおそれがあるという設定により,実験フィールドには人間が立ち入ることはできない.参加チームは,実験フィールドと壁で隔てられているコントロール・ルームから,壁の上に設置したカメラとロボットに取り付けたカメラの映像を頼りにロボットを遠隔操縦し,人形を助け出して安全な場所まで運ぶ.競技では2チームずつが救助に向かうので,ほかのロボットとすれ違うなどの操縦技能も問われる.
ロボットについては,カメラを搭載することと,競技開始時の待機場所であるロボット・ベースの枠内に収まることのみが定められており,台数や重量は自由.
競技の評価は,作業に要した時間と救助活動の達成具合,救助した人形に残っている体力値,審査員評価などから決定される.人形はゴムとスポンジでできた柔らかい体をしており,圧力センサや加速度センサ,Bluetoothによるデータ転送機能を備えたユニットを内蔵している.人形が感知した加重や振動,傾きなどはそれぞれ苦痛の値として換算され,時間の経過や苦痛の値によって人形の体力値が低下していく.
また,競技前に各チームが行うプレゼンテーション(自分たちのアイデアや問題設定の発表)の内容も,評価に加えられる.「私有地にあるガレキはむやみに破壊したり乗り越えたりしてはならない」など,実際の救助を想定した条件も付いている.
「レスキューロボットコンテスト」は,阪神淡路大震災をきっかけに,救命救助の活動や機器に関する啓もう手段の一つとして2001年から開催されている.これまでは予選,本選とも大阪や神戸などでのみ実施していたが,2013年に開催する第13回では,神戸予選を2013年6月30日(日)に神戸サンボーホールにて,東京予選を2013年7月7日(日)に東京都立産業貿易センター 台東館にて開催する.本選は,2013年8月10日(土)~11日(日)に神戸サンボーホールにて開催する.
なお,同実行委員会は,FacebookやTwitterで直前や本番中の情報提供を行う予定.
[図1] 実験フィールドの概要(提供:レスキューロボットコンテスト実行委員会)
[写真1] 第11回レスキューロボットコンテストの様子(提供:レスキューロボットコンテスト実行委員会)
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