Mentor，ワイヤ・ハーネス設計の統合環境にアーキテクチャ定義ツール，機能・製造モジュール管理ツール，保守・整備用ドキュメント生成ツールを追加

　米国Mentor Graphics社は，同社のワイヤ・ハーネス設計の統合環境である「Capital」（旧称CHS）にアーキテクチャ定義ツール「Capital Level Manager」，機能・製造モジュール管理ツール「Capital ModularXC」，保守・整備用ドキュメント生成ツール「Capital Publisher」を追加した．Capitalは，主に自動車や航空機，船舶などの電装システム，およびネットワーク・システムを対象とした設計環境である．

　Capital Level Managerは，車両モデルの違いや搭載する電子機器オプションの組み合わせなどを管理し，その情報をもとにユーザが開発対象のアーキテクチャを定義するツールである．例えば自動車のハンドルや速度制御モジュールなどのバリエーションを管理する．バリエーションの増加を抑えるために，同じシステム構成であっても，一部の機能の使用を封じる「付け捨て」と呼ばれる手法が利用されている．本ツールは，製品コストなどを考慮しながら，最適な付け捨ての組み合わせを導き出す機能を備えている．

　Capital ModularXCは，機能モジュールや補助コンポーネントの有効な組み合わせを登録・検証するツールである．本ツールを利用すると，製造効率が向上するような製造モジュールの組み合わせを見つけることができる．

　Capital Publisherは，設計データベース（Capital Assets）から機器の保守・整備に必要な情報を抽出・変換し，保守・整備担当者向けのドキュメントを自動生成するツールである．閲覧にはWebブラウザを使用する．生成したドキュメントを印刷することも可能．

　OSとして，WindowsおよびLinuxに対応する．Capital ModularXCはすでに出荷を開始している．Capital Level ManagerとCapital Publisherは，2011年第2四半期中（6月中）に出荷を開始する予定．