ユビキタス，電力の使用状況をWeb上で確認できる無線LAN対応電源タップを試作

　ユビキタスは，無線LANモジュールを内蔵した電源タップ「iRimoTap」を試作した．本試作機には4口のコンセントがついており，それぞれのコンセントに接続した機器の電力の使用状況を計測できる．計測したデータは内蔵の無線LANモジュールとWebに接続できる環境（無線LANアクセス・ポイントなど）を経由して，Web上に表示できる．また，Web上からそれぞれのコンセントの電源をON/OFFすることも可能．

　本試作機には，無線LANモジュール（ルネサス エレクトロニクス販売の製品）に必要な制御ソフトウェアを組み込んだ同社の組み込み機器向け無線LANソリューション「Ubiquitous AIR NOE Solution」を内蔵している．電源タップも特定小電力無線で制御する既存の海外製品を改造したものであり，試作にかかった作業時間は実質1カ月程度だという．無線LAN接続に必要な処理ソフトウェアはすべて無線LANモジュールに搭載し，タップ側を制御するしくみとなっている．

　本試作機にはWPS（Wi-Fi Protected Setup）ボタンが付いている．このボタンを無線LANアクセス・ポイントのWPSボタンと同時に押すことにより，簡単に接続設定を行える．接続できたらWebブラウザ上で自分が使用している電源タップのシリアル番号を入力し，ひも付けを行う．Webブラウザでは自分が管理する複数の電源タップについて，個別のコンセントや全体の電力の使用状況を，日/週/月などの単位で確認できる．さらに，消費電力が一定以上になった際にメールやTwitterで通知するなどの，Webサービスと組み合わせたしくみも用意している．

　この夏，福島第1原子力発電所の事故の影響を受けて，大幅な節電を迫られる可能性が高い．本試作機は，家庭における電力の使用状況を可視化し，こまめに電源を切って待機電力を節約することの効果を実感できることをねらっている．また，各部屋のテレビの消費電力を比較してみるなど，可視化によって節電を楽しんでもらいたいという．

　本試作機とWebサービスのデモンストレーションを，2011年5月11日～13日に開催される「ESEC 2011（組込み開発技術展2011）」の同社ブースにて行う予定．

[写真1] 写真1　iRemoTap（左）と内蔵されている無線LANモジュール（右）

[写真2] 写真2　iRemoTap内のソフトウェア分担

[写真3] 写真3　iRemoTapを制御できるWebサイト