TI，モバイル機器に組み込んでビデオ会議や立体3D画像表示などを実現できるプロセッサを発売

　米国Texes Instruments社は，アプリケーション・プロセッサ「OMAP4440」を発売した．本プロセッサをモバイル機器に搭載することにより．ビデオ会議や立体3D画像表示，ジェスチャ解析などの機能を実現できる．同社の従来品である「OMAP4430」と比較して，グラフィックス性能が1.25倍向上し，Webページの読み込み時間が30％短縮した．また，1080pビデオ再生性能も2倍向上したという．

　1.5GHzのクロックで動作するデュアルコアのARM Cortex-A9 MPCoreを搭載する．この二つのCPUコアに加えて，処理時間に厳しい要件を持つタスクや制御タスクの負荷を軽減するARM Cortex-M3コアも2個搭載している．さらに，POWERVR 3Dグラフィックス・エンジン，複数の標準規格のビデオに対応するIVA 3画像エンジン，高画質・高解像度の画像処理を実行するISP（イメージ・シグナル・プロセッサ），低消費電力オーディオ・プロセッサ，およびC64xDSPコアも搭載する．また，信号処理機能を提供する各種のプログラマブル・コア群も持つ．

　OMAP 4アーキテクチャは，2個の広帯域メモリ・チャネルを備えており，コンカレントなマルチメディア処理を実行できるように設計されている．また，M-Shieldと呼ぶセキュリティ機能を搭載している．電力と性能を管理するmartReflex機能の活用により，モバイル機器の低消費電力要求に対応できる．

　本プロセッサは2011年第1四半期にサンプル出荷を，2011年後半に量産出荷を開始する予定．

[図1] OMAP44XXのブロック図