RS ComponentsがPCB設計ツールを無償配布，設計技術者向けのコミュニティ・サイトも開設

　電子部品や半導体，工業用部品の通販会社である英国RS Components社は，プリント基板設計ツール「DesignSpark PCB」の無償配布を開始した．併せて設計技術者向けコミュニティ・サイト「DesignSpark」も開設した．

　DesignSpark PCBには，回路図エディタと自動配線機能付きのレイアウト設計ツールが含まれる．また，ウィザード形式で部品情報を入力する機能や，既存の設計データをインポートする機能，3次元CADツールとのインターフェース機能，同社の部品を購入する機能，部品表を作成する機能などを備えている．

　Gerberフォーマットを出力するので，どのプリント基板メーカにも対応可能．無償で提供されるが，機能（基板サイズや層数，ピン数など），およびライセンス期間の制限はない．メニューは英語である．ユーザ・サポートは提供されず，詳細なFAQ（Frequently Asked Questions）が用意されるという．

　コミュニティ・サイトのDesignSparkは日本語に対応している．各種開発キットを紹介し，レビューを掲載するページや，無償公開されたツールなどをダウンロードできるページ，技術分野別の情報や設計リソースが掲載されたページ，同社のパートナ企業のページ，ユーザが他の登録会員へメッセージを送ったり，投稿したコンテンツを管理したりするページなどからなる．

　同社は，電子機器の設計工程全体を支援するサービスの拡充に力を入れている．2010年6月には，特性値（パラメータ）を入力して絞り込める電子部品検索ツールや3次元CADモデル，試作用の機能モジュールやベース・ボードなどの提供を開始した．例えば，モータ・ドライバ・モジュール，センサ・モジュール，通信モジュールなどを提供中．英国ARM社が普及を推進しているARM Cortex-M3マイコン・モジュール「mbed」と組み合わせて使えるベース・ボードも用意する．

図1　設計技術者向けコミュニティ・サイト「DesignSpark」

写真1　DesignSparkについて説明した英国RS Components社 Head of Electronics MarketingのGlenn Jarrett氏