エーアイコーポレーション，米社製組み込み用ファイル・システムのLinux版を国内で販売

　エーアイコーポレーションは，組み込み用ファイル・システム「Reliance Nitro」のLinux版の日本国内での販売を開始した．本ファイル・システムは米国Datalight社が開発したもので，これまでWindows CE版，Windows Mobile版，VxWorks版などが販売されている．ハード・ディスク装置やSSD（Solid State Drive），eMMC，eSD，NOR/NAND型のフラッシュROM，RAMディスク，リムーバブル・メディア・カードなどに組み込んで使える．

　本ファイル・システムを利用すると，例えば突然の電源断などが生じても，ファイル・データやディレクトリの情報を保護できる．FATファイル・システムはリニア・ベースの割り当て構造を採用しているが，本ファイル・システムはツリー・ベースの割り当て構造を採用している．これにより，FATファイル・システムの場合と比べて，ファイル動作の速度が2桁速くなったという．

　本ファイル・システムは，ルート・ファイル・システムとして機能する．ルート・ファイル・システムとは，システムを起動させるために必要なファイル群を格納するファイル・システムである．また，本ファイル・システムは，SMACKのようなLinuxのセキュリティ実装に必要とされる拡張ファイル属性をサポートしており，ファイル・アクセスなどの情報を制御することが可能．さらに，ディジタル著作権管理などに利用できる追加のメタ・データ情報を保存することも出来る．

[図1] 「Reliance Nitro」のLinux版のアーキテクチャ