Tektronix，グラフィックス液晶を搭載し，測定値の時間変動や統計結果を表示可能なディジタル・マルチメータを発売

　米国Tektronix社は，グラフィックス液晶を搭載したディジタル・マルチメータ「DMM4050型」を発売した．直流電圧，直流電流，交流電圧，交流電流，抵抗，導通，ダイオード，周波数，周期，キャパシタンス，温度の測定が可能．

　同社のこの分野への参入は，今回が初めて．ディジタル・マルチメータ開発では長年の実績を持つ米国Fluke社から技術供与を受け，製品を開発した．特徴は大きく四つ．

　一つ目は，測定値の推移や統計値の表示，統計のヒストグラム表示が可能なこと．

　二つ目は，直流電圧基本最高確度が0.0024％と高いこと．この確度は，非常に高性能な校正器から正確な直流信号を出力し，その測定結果で直流電圧基本最高確度を満たしているか否かを判定しているという．例えば，校正器の直流電圧出力が1.000000Vのとき，本機の表示ばらつきは1.000025V未満，0.999975Vより大きいことを確認している．

　三つ目は，数十Ω以下の抵抗値を測定する際に用いる4端子測定が2本のプローブだけで可能であること．4端子測定法では，試料に電流を流すソース・ラインと，試料の両端の電圧降下を測定するセンス・ラインが分かれている．同社のプローブは，先端の数mmを除いて1本の線が内部で2系統に分かれている．

　四つ目は，フロント・パネルに設けられたUSB端子に接続したメモリに直接，測定データを保存できること．

　分解能は6.5けた，交流測定レンジは1000V，最高測定速度は1000回/s．外形寸法は217mm×297mm×88mm，質量は3.6kg．

　本機からキャパシタンスおよび温度測定機能を省いた「DMM4040型」や，分解能が5.5けたで最高測定速度が100回/sの「DMM4020型」も用意する．

[写真1] DMM4050型の外観