Freescale，八つのCPUコアを搭載するPowerプロセッサのサンプル出荷を開始

　米国Freescale Semiconductor社は，八つのCPUコアを搭載するプロセッサ「QorIQ P4080」を発売する．本プロセッサは45nmプロセスで製造される．サービス・プロバイダ用ルータや基地局コントローラ，無線ネットワーク・コントローラ，産業および航空宇宙分野向けの組み込みコンピュータ・システムに利用できる．

　Powerアーキテクチャに準拠するe500mcコアを八つ搭載する．各CPUコアは，32Kバイトの命令用1次キャッシュ・メモリと32Kバイトのデータ用1次キャッシュ・メモリ，128Kバイトの2次キャッシュ・メモリを備える．さらに，3次キャッシュ・メモリ用のDDR2/DDR3 SDRAMコントローラを二つ持つ．仮想化技術により，8個のCPUコアを対称型SMP，非対称型AMP，もしくはSMPとAMPを組み合わせたマルチプロセッサ構成で利用できる．また，各CPUコアを独立してブートさせたり，リセットしたり，異なるOSを起動したり，OSなしで動作させたりすることも可能．

　周辺機能として，二つの10GビットEthernet（XAUI）と八つの1GビットEthernet（SGMII），三つのPCI Express v2.0，二つのSerial RapidIO，二つのUSB，SD/MMC，SPI，四つのI2C，二つのデュアルUART，拡張ローカル・バス・コントローラ（eLBC），マルチコア・プログラマブル割り込みコントローラ（PIC），二つの4チャネルDMAエンジンを持つ．

　さらに開発環境として，マルチコア用のシミュレーション・ソフトウェア「Simic」を米国Virtutech社が提供している．本プロセッサは2010年末ころから量産出荷を開始する予定．

[写真1] QorIQ P4080のブロック図