富士通マイクロエレクトロニクス，モバイル機器の小型化と低消費電力を実現するモバイルWiMAX対応のベースバンドLSIを発売

　富士通マイクロエレクトロニクスは，IEEE 802・16e 2005に準拠したモバイルWiMAX対応のベースバンドLSI「MB86K23」を発売する．本システムLSIは，同社の65nmのCMOSプロセスを利用して製造する．パッケージの外形寸法は10mm×10mmと小さい．同社の従来製品である「MB86K21」（16mm×16mm）と比較すると，約60％のスペースを削減できたという．

　本ベースバンドLSIとRF LSI「MB86K52」，電源LSI「MB39C316」を組み合わせると，外形寸法が20mm×40mmのWiMAX USBアダプタを実現できる．また，WiMAXと無線LANの両方の機能を30mm×26.8mmのPCI Express Half-Mini Cardに搭載できる．

　動作時の消費電力は，MB86K21に対して36％削減したという．また，富士通研究所と共同開発した，使用していない回路ブロックの電力を遮断するパワー・ゲーティング技術（CoolAdjust-PG）を利用してWiMAXモジュール全体の待機時電流を0.5ｍA以下に抑えている．バンド幅は3.5MHz，5MHz，7MHz，10MHz，20MHz．変調方式は，64QAM，16QAM，QPSK．USBインターフェースやSDIOインターフェース，SPIインターフェースを備える．

　なお，本ベースバンドLSIを搭載したWiMAXアダプタやWiMAXと無線LANの両方の機能を備えるPCI Express Half-Mini Cardが，設計・製造受託メーカより順次発売される予定．

　2009年4月よりサンプル出荷を開始する．

[図1] 富士通マイクロエレクトロニクスのモバイルWiMAX向けSoCのロードマップ

[写真1] MB86K23の外観