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Synopsys,チップ製造前にSOCに搭載する組み込みソフトウェアを検証するためのFPGAボードとソフトウェアを発売

 米国Synopsys社は,チップを製造する前に,SOC(System on a Chip)に搭載するソフトウェアを検証するためのシステム「Confirma」を発売した.本検証システムは「CHIPit」や「HAPS」といったプロトタイピング用のFPGAボードと,それらを使うためのソフトウェア群で構成される.同社が2008年12月にドイツProDesign社から買収したCHIPit事業部と,2008年5月に買収した米国Symplicity社のプロトタイピング環境などを組み合わせて本検証システムを実現した.大規模SOC開発においてネックとなっている組み込みソフトウェアを,実機に近い速度で検証できる環境を,比較的安価に構築できるという.

 FPGAや専用LSIなどを利用してチップ製造前に回路やそれに搭載するソフトウェアを検証する環境として,論理エミュレータやプロトタイピング・ボードなどがある.前者は回路の実装方式などをあまり意識しなくてもよいが高額である.一方,後者は高速動作が可能なものの,ケーブルの接続や回路の実装などが複雑という問題がある.今回のConfirmaは,論理エミュレータのようにFPGAへの回路の実装はあまり意識する必要がなく,プロトタイピング・ボード並みの価格であるという.アナログやPCI Expressなどのさまざまな外部インターフェースに対応するための拡張基板も60種類以上提供する.

 Confirmaを構成するソフトウェアには,各ツールの制御やプロジェクト管理を行う「CHIPit Manager Pro」,複数のFPGAをターゲットとする回路分割ソフトウェア「Certify」,FPGA向けの論理合成ツール「Synplify Premier」などがある.また,同社が従来提供している開発環境と本検証システムの間のインターフェースも用意している.「SCE-MI」というソフトウェアを利用すれば,同社の仮想プラットホーム開発環境と本検証システムを組み合わせてソフトウェア開発を行える.一方「HDL-Bridge」を利用すれば,同社のHDLシミュレータとFPGAボードを組み合わせて高速なシミュレーションが行える.さらに「C/C++/TCL API」と呼ばれるAPIを利用すると,プログラムから直接ハードウェアにアクセスできる.デバッグについては,RTL記述のデバッグ・ソフトウェア「Identify Pro」やリアルタイム・デバッグ・ソフトウェア「CHIPit Debug Suite」を用意している.


[写真1] プレゼンテーションを行う米国Synopsys社Marketing & Business Development,Solution Marketing,DirectorのTom Borgstrom氏


[写真2] Confirmaのハードウェア(Synopsys社の発表資料より)


[写真3] Confirmaのソフトウェア(Synopsys社の発表資料より)

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■連絡先
日本シノプシス株式会社
TEL: 03-5746-1780
URL: http://www.synopsys.co.jp/

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