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Mentor Graphics,解析の専門家でなくても使える電源ノイズ解析ソフトウェアを発売
ニュース 2009年2月4日
米国Mentor Graphics社は,プリント基板の電源ノイズ(パワー・インテグリティ)を解析するソフトウェア「HyperLynx PI」を発売した.同社は従来,信号ノイズ(シグナル・インテグリティ)を解析する「HyperLynx SI」を提供していた.今回それを電源解析用に拡張した.本解析ソフトウェアでは,電源を供給する側のICのモデル,電力を消費する側のICのモデル,LCRのモデル,配線パターンの材質や形状などを基に電源ノイズの振る舞いを解析できる.各ICピンの設定や解析内容の設定をグラフィカルに行えたり,解析の精度に影響するメッシュの切り方を自動で設定したりするなど,解析の専門家でなくても使い始められるようになっているという.
本解析ソフトウェアはDC解析機能とAC解析機能を備える.DC解析機能は,電圧や電流のDC的な分布を解析でき,IRドロップや電流密度の高い場所を確認できる.AC解析機能は,周波数帯域に応じた電源の共振や電源インピーダンスの変動などを解析でき,パスコンをどこにいくつ置けばよいか,ノイズがどのような経路を通って伝搬しているか,といったことが確認できる.どちらの機能も,簡易レイアウトによるプリ・レイアウト解析と実際のレイアウト情報に基づくポスト・レイアウト解析に適用できる.簡易レイアウトは本解析ソフトウェアで作成できる.ポスト・レイアウト解析では同社のプリント基板設計ツールと連携できるほか,他社のツールのデータも取り込める.2009年第1四半期から提供を開始する.
本解析ソフトウェアで使用するデバイス・モデルについては,同社独自の比較的簡易な記述であり,各デバイス・メーカから提供されるもよう.コンデンサなどについてはSPICEモデルやSパラメータ・モデルが利用できるという.
同社は同時に,HyperLynx SIにDDR解析ウィザード機能「DDRX Batch-Mode Wizard」を追加した.HyperLynx SIは従来,DDR解析機能を備えていたが,今回はウィザード形式になったので解析が容易になったという.
[写真1] HyperLynx PIの画面イメージ
[写真2] プレゼンテーションを行うMentor Graphics社 Systems Design Division,Business Development DirectorのDavid Wiens氏
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