Xilinx，11.2Gbpsの伝送に対応するトランシーバを内蔵し，低消費電力を実現したFPGAファミリを発売

　米国Xilinx社は，FPGAファミリ「Virtex-6」を発売する．3GPP-LTE（Long Term Evolution；携帯電話網の次世代通信規格）対応の基地局や，100GビットEthernet-OUT-4フレーマとEFEC（Enhanced Forward Error Correction）を実装した機器，SDI/HD-SDI/3G-SDIに対応した放送機器，航空宇宙用機器などに利用できる．

　本FPGAは，40nmのCMOSプロセスで製造する．コア電圧は1.0Vだが，0.9V動作にも対応する．0.9V動作を利用すると，前世代のVirtex-5に比べて消費電力を50％削減できるという．最大76万ゲートの論理ブロックと最大38Mビットのメモリ・ブロック，2000個のDSPブロックを搭載する．また，最大11.2Gbpsの伝送速度に対応する64個のトランシーバを内蔵し，OTU（光トランスポート・ユニット）仕様を満足する．PCI Expressコントローラのハード・マクロは，ルート・ポート機能を持つ．サブファミリとして，LXTとSXT，HXTを提供する．LXTは，最大76万ゲートの論理ブロックを持つ，汎用のサブファミリである．SXTは，最大2000個のDSPブロックを持つ，ディジタル信号処理応用重視のサブファミリである．HXTは，11.2Gbpsの伝送に対応するトランシーバを持つ，高速ディジタル伝送応用重視のサブファミリである．

　サンプル出荷は2009年第2四半期から開始する．本FPGAに対応した開発環境は2009年後半に提供される予定．

　同社は民生機器向けのFPGAファミリ「Spartan-6」を併せて発売する．本FPGAファミリは，45nmのCMOSプロセスで製造する．コア電圧は1.2Vだが，1.0V動作にも対応する．1.0V動作を利用すると，Spartan-3に比べて消費電力を65％削減できる．I/Oインターフェースの電源レベルは3.3Vに対応する．サブファミリとして，LXとLXTを提供する．LXは，最大15万ゲートの論理ブロックと4.8Mビットのメモリ，メモリ・コントローラを搭載する．LXTはLXの拡張版であり，3.125Gbpsの伝送速度に対応する最大8個のトランシーバとPCI Expressコントローラのハード・マクロを搭載する．

　現在，サンプル出荷中である．本FPGAに対応した開発環境は2009年後半に提供される予定．

[写真1] Virtex-6の外観

[写真2] Spartan-6の外観

[写真3] Virtex-6評価ボードによるデモンストレーション