Movidia，リアルタイムに動画像を編集・加工できる携帯機器向けメディア・プロセッサを発売

　アイルランドMovidia社は，リアルタイムに動画像を編集・加工できる携帯機器向けメディア・プロセッサ「MA1110」を発売する．動画像・音声データ処理についてハードウェア処理とソフトウェア処理の分担を最適化することにより，消費電力を抑えつつ動画像の編集・加工できるという．SD（Standard Definition）画像をMPEG-2で処理した場合の消費電力は100mW以下．携帯電話やデジタル・カメラなどに搭載して利用できる．

　同社が開発した制御用の32ビットのRISCコアを内蔵する．動画像編集機能のほか，3Dグラフィックス表示機能などを備える．WVGA（800ピクセル×480ピクセル）液晶ディスプレイを二つ接続できる．動画データの圧縮・伸張についてはH.264やH.263，MPEG-4，MPEG-2に，音声データはMP3やAAC，AAC+のデコーダに対応する．さらに，テレビ出力（コンポーネント信号，S-Video信号，コンポジット信号）や5.1チャネル音声出力，12Mピクセルのカメラ・インターフェースを持つ．このほかの外部インターフェースとして，SPIやUART，I2C，SDIO，GPIO，USBホスト/ターゲットを備える．外形寸法は8mm×8mm，パッケージはBGA．

　併せて同社はAPI（Application Programming Interface）やデバイス・ドライバなども提供する．これらを利用すると，動画像のキャプチャや編集，コントラスト/光度/色彩の調整などを行える．開発環境はサード・パーティより提供される予定．

　サンプル出荷および開発環境の提供は2009年夏ごろ，量産出荷は2009年末の予定．2009年2月16日からスペインのバルセロナで開催される「GSMA(Global System for Mobile Communications Association) Mobile World Congress」で，本プロセッサのデモンストレーション展示を行う予定である．

　Movidia社は，ファブレスの半導体企業．本社はアイルランドのダブリン．研究開発拠点はルーマニアで，セールスやサポートの拠点は香港にある．従業員は50人．

[写真1] プレゼンテーションを行うMovidia社COO（Chief Operating Officer）のPaul Costigan氏

[写真2] MA1110のアーキテクチャ