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Analog Devices,コアの浮動小数点演算性能が最大2700MFLOPSの車載および産業機器向けDSPを発売
ニュース 2008年11月12日
米国Analog Devices社は,コアの浮動小数点演算性能が最大2700MFLOPS(450MHz動作時)のDSPシリーズ「SHARC ADSP-2146x」を発売した.車載機器や産業機器,オーディオ機器などに利用できる.最大動作周波数や動作温度範囲,内蔵ROMの有無,インターフェースなどが異なる5品種を用意する.本DSPシリーズは,最大2250MFLOPSで処理を行えるFFTやFIR,IIRなどのハードウェア・アクセラレータ回路を内蔵している.本DSPシリーズの命令長は48ビット.命令に応じて命令長を16ビットや32ビットに変更できるVISA(Variable Instruction Size Architecture)と呼ぶ機能を備えている.この機能を利用すれば,コード・サイズを20~30%程度圧縮できるという.
「ADSP-21469W」,「ADSP-21462W」,「ADSP-21465W」は,最大動作周波数が400MHzで,車載用の品質認証であるAEC-Q100に対応している.ADSP-21462WとADSP-21465Wは,車載向けのLANインターフェースであるMOST(Media Oriented Systems Transport)を利用したMLB(Media Local Bus)インターフェースやコンテンツ保護規格であるDTCP(Digital Transmission Contents Protection)処理ブロックを備えている.ADSP-21465Wはさらに5MビットのROMを内蔵する.動作温度範囲は-40℃~+105℃.
「ADSP-21469」は,最大動作周波数が450MHzもしくは400MHzで,ADSP-21469Wと比べて動作温度範囲が-40℃~+85℃と狭い製品である.同社は2008年10月からコアの浮動小数点演算性能が最大2700MFLOPS(450MHz動作時)で,動作温度範囲が0℃~+70℃の民生機器向けオーディオ用DSP「ADSP-21469」を出荷しているが,今回,動作温度範囲を拡張した2品種を用意した.
「ADSP-21467」は,ADSP-21469の機能に加えて4MビットのROMを内蔵する.動作温度範囲は0℃~+70℃.
本DSPシリーズは,コアの動作周波数と同じ速度でデータ転送が行えるDDR2 SDRAMインターフェースを備えている.また4MビットのSRAMを内蔵しており,外部RAMを使わないシステムを構築することも可能.リンク・ポートという同社独自のインターフェースを利用すれば,比較的容易に本シリーズのDSPや他社のFPGAとデータをやりとりできるという.2009年第1四半期にサンプル出荷を開始する予定.
[写真1] プレゼンテーションを行うアナログ・デバイセズ GP-DSPプロダクツ ディビジョン Japan リージョナル ディレクターのPaul Wheeler氏
[写真2] SHARC ADSP-2146xの外観
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