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Agilent,MIMO方式の通信アンテナで生じるフェージング環境を模擬できる試験機を発売
ニュース 2008年10月2日
米国Agilent Technologies社は,MIMO(Multiple Input Multiple Output)方式を利用する受信機の開発者に向けて,「Agilent N5106A PXBシリーズMIMO受信機テスタ」を発売した.MIMO方式に利用される通信アンテナのフェージング環境を模擬できる.
MIMO方式を利用した通信環境においては,同一の周波数帯を利用しながら複数のアンテナがデータを送受信することになる.そのため,複数のアンテナが異なるフェージングの影響を受ける.本機はそのようなフェージング環境を生成することで,MIMO受信機の性能試験を可能にしている.フェージングとは,ある点からある点まで電波が伝搬する際のマルチパスによる信号の位相ずれや,ドップラー効果によって移動中のアンテナに生じる周波数の変動を指す.
本機はI/Q変調波を14ビットの分解能で生成する.電波のレベル変動帯域幅は120MHz.最大24パターンのマルチパス試験を4×2または2×4(将来的には4×4)のマルチアンテナ構成で実現できる.
MIMOは複数のアンテナから異なるデータを送信し,複数の受信アンテナの信号を合成することで広帯域化を実現する技術.送受信アンテナの数が同じ場合,チャネル容量をアンテナ数に比例して増加させられる.MIMO技術は無線LAN規格のIEEE 802.11nにおいて技術的検証を行っており,すでに複数のメーカからチップセットや無線LAN製品が販売されている.
MIMO技術はIEEE 802.20(MBWA:Mobile Broadband Wireless Access)およびIEEE 802.16e(モバイルWiMAX:Worldwide Interoperability for Microwave Access)においての利用も見込まれている.
[写真1] Agilent N5106A PXBシリーズMIMO受信機テスタの外観
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