NECエレクトロニクス，光ディスク・ドライブ用LSIとAV信号処理LSIを統合した1チップ“Blu-rayディスク・プレーヤ”を発売

　NECエレクトロニクスは，Blu-rayディスク・プレーヤ用LSI「EMMA3PF」を発売する．同社のBlu-ray向けの光ディスク・ドライバ用LSI「SCOMBO/UM2P」とAV（音声・映像）信号処理LSI「EMMA3P」の機能を1チップに集積した．DDR2 SDRAMやフラッシュROM，オーディオ用D-Aコンバータ，3相モータ・ドライバなどを用意することで，Blu-rayディスク・プレーヤを構成できる．Blu-rayディスクの再生に必要なミドルウェアやリファレンス設計なども提供する．

　本LSIは，光ディスクから読み出したデータをA-D変換する機能，AVデータを復号する機能，HDMI（High-Definition Multimedia Interface）信号をテレビに出力する機能を備えている．1チップ化，および外付けメモリ数の削減により，実装面積は従来の半分になる．また，本LSIはBD-ROM profile 2.0に対応している．ネットワークに接続して追加コンテンツや追加字幕，ネットワーク対応ゲームなどをダウンロードしたり，Blu-rayディスクのコンテンツと追加コンテンツを2画面で同時再生したりできる（いわゆるBD-Live）．さらに，地図やフォントなどの拡大・縮小をスムーズに行うためのベクタ・グラフィックス回路や，1080i画像を1080p画像に変換するインターレース・プログレッシブ変換回路を内蔵する．

　CPUとして，アプリケーション処理用の64ビットMIPSプロセッサ（VR5500），AVストリーム・データ処理用の32ビットMIPSプロセッサ，オーディオ処理用プロセッサ/DSP，Blu-rayメディア制御用の32ビット・プロセッサなどを内蔵する．このほか，アナログ信号処理（アナログ・フロントエンド）回路やAVストリーム処理回路，ビデオ・デコーダ，ネットワーク制御回路，ハード・ディスクを接続するためのシリアルATAインターフェース，DDR2 SDRAMインターフェースなどを備える．

　電源電圧は，I/O部が3.3V，DDR2 SDRAMインターフェース部が1.8V，コア部が1.5Vと1.05V．パッケージは37.5mm角の951ピン・プラスチックBGA．90nmのCMOSプロセスで製造する．2008年9月からサンプル出荷を，2008年第4四半期中に量産出荷を開始する．

　同社は，ディジタルAV機器専用の半導体アーキテクチャをEMMA（Enhanced Multi Media Architecture）プラットホームと呼んでいる．2008年4月にフル・ハイビジョンに対応したディジタル・テレビ向けLSI「EMMA2TH/H」，2008年5月にH.264対応セットトップ・ボックス向けLSI「EMMA3SL/HD，SD」，2008年7月にBlu-ray向けAV信号処理LSI「EMMA3P」と，相次いでEMMAシリーズのディジタルAV機器向けASSP（Application Specific Standard Product）を製品化している．

[写真1] EMMA3PFの外観