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ロボット・ベンチャ4社,「次世代ロボット市場創造連盟」を発足
ニュース 2008年6月18日
ヴィストン,ゼットエムピー,テムザック,ビジネスデザイン研究所の4社は,家庭における生活支援ロボットの市場を立ち上げるための連携組織「次世代ロボット市場創造連盟」を設立した.各社の商品開発や販売促進,啓もう活動などを共同で行う.また,海外動向の調査や国際展開も積極的に進めていく.
2005年に開催された愛知万博(愛・地球博)では,さまざまなロボットの実証実験が行われ,話題をさらった.「やがては各家庭や生活の中にロボットが入り込んでくる」と言われてはいるが,ただ待っているだけではなかなか市場は立ち上がってこないという.そこで,新しい市場を開拓していくために集まったのがこの4社である.
対象とするロボット市場は,「サービス・ロボット」と呼ばれる,家庭や施設内で生活を支援するロボットである.例えば,ヴィストンは「Robovie-X Lite」という二足歩行ロボットを,ゼットエムピーは「miuro(ミューロ)」という移動型音楽プレーヤ・ロボットを,テムザックは「ROBORIOR(ロボリア)」や「番竜」という留守番ロボットを,ビジネスデザイン研究所は「ifbot(イフボット)」というパートナ・ロボットや「PLEO(プレオ)」という恐竜の形をしたペット・ロボットなどを家庭向けに発売している.「ロボリアを,例えばデパートの片隅に1台だけ置いてもらっても,ぜんぜん顧客にアピールしない.例えば,各社のロボットをあれこれ並べて選択肢を提示することによって,市場が広がるのではないかと考えている」(テムザック 代表取締役の高本 陽一氏).
そもそも,この連盟を設立するきっかけになったのは,韓国におけるロボット産業促進の動きだった.2008年2月,「知能型ロボット及び普及促進法案」が韓国の国会審議を通過した.ここでいう「知能型ロボット」とは,日本でいうサービス・ロボットのことである.具体的には,ロボット開発に関する基本計画や品質認証のしくみ,ロボット開発に対する投資ファンドなど,ロボット開発を促進するための基盤を整える法案である.同法案は半年後に施行される予定.また,それに先立つ2007年8月には,韓国産業資源部 ロボット産業政策フォーラムが人間と一緒に生活するロボットに関する倫理規範「ロボット倫理憲章」の草案をまとめ,Webサイト上で公開している.一方,ロボット技術の研究が進んでいる日本では,これまで企業などが連携して推進していく動きがなかったという.各社が手を組んで活動し,ロボット産業を振興するのが今回の連盟設立の狙いの一つである.
本連盟の本部は,愛知県名古屋市にあるビジネスデザイン研究所内に置く.東京,愛知,大阪,福岡という4社の拠点のうち地理的中心にあることに加え,ロボットの実証実験で盛り上がった愛知万博の開催地であることもその理由.
今後の予定としては,大手流通企業と組んで販売促進イベントを行う.また,2008年8月に韓国に視察に行く予定.
[写真1] 記者発表の様子
[写真2] 各社のサービス・ロボットの一例(左から順に,「PLEO」,「ifbot」,「Robovie-X Lite」,「miuro」,「ROBORIOR」)
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