エプソン，CPUインターフェースの通信速度を約30％高速化したUSBコントローラLSIを発売

　セイコーエプソンは，USB 2.0ハイスピード・モード（480Mbps）に対応したUSBコントローラLSI「S1R72V27」，「S2R72V27」のサンプル出荷を開始した．一つのポートを，ホスト機能またはターゲット機能として利用できる．S1R72V27の動作温度範囲は－40℃～＋85℃，S2R72V27の動作温度範囲は－40℃～＋105℃．

　同社の既存のUSBコントローラLSI（S1R72V17）の高速版という位置づけで開発した．具体的には，CPUインターフェース（16ビット幅）のAC仕様を改善し，S1R72V17と比べてアクセス・サイクルを約30％短縮した．また，ホスト機能，ターゲット機能共に，コントロール，バルク，インタラプト，アイソクロナスの各転送方式に対応する．S1R72V17とピン互換性がある．

　ホスト機能はハイスピード・モード，フルスピード・モード（12Mbps），ロースピード・モード（1.5Mbps）に対応する．ダウンストリーム・ポート用のプルダウン抵抗を内蔵する．USBパワー・スイッチ・インターフェースを備える．ターゲット機能はハイスピード・モードとフルスピード・モードに対応する．5本の汎用エンドポイントと1本のコントロール転送用エンドポイントを備える．

　低消費電力モードとして，待機時モードに加えて，外部からの信号の伝播をLSIの入力回路の入り口でカットして消費電流を低減するモード（CPUカット・モード）を備える．クロック入力は，水晶振動子の場合は12MHzまたは24MHz（エプソントヨコムのFA-128，FA-238Vを推奨），外部クロック回路（水晶発振器など）の場合は12MHz，24MHz，48MHz．

　電源電圧は，USB系が3.3V，内部が1.8V，CPUバス系が1.8V～3.3V．パッケージとして，12mm角の80ピンQFP，8mm角の81ピンBGA，5mm角の60ピンBGAを用意する．

[写真1] S1R72V27の外観