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富士通から分社するLSI会社の新社名は「富士通マイクロエレクトロニクス」
ニュース 2008年2月12日
富士通は,分社し,2008年3月21日より発足するLSI事業会社の概要を発表した.新社名は「富士通マイクロエレクトロニクス」.事業内容は,LSIに関する設計,開発,製造,販売.化合物半導体は新会社の事業範囲に含まれない.資本金は600億円.富士通が100%の株式を持つ.
従来のLSI事業の柱であったASIC(application specific integrated circuit;顧客仕様の特定用途向けLSI開発事業),COT(customer-owned tooling;顧客企業が仕様策定からレイアウト設計まで行い,LSIメーカが製造を請け負うカスタムICの開発手法)の事業に加えて,アジア市場で成長が期待されるASSP(application specific standard product;特定用途向け標準LSI),汎用マイコン,アナログLSIといった汎用(標準)LSIの事業を強化していくという.
富士通のLSI事業は,4年前から画像処理やワイヤレス,セキュリティなどのASSPに注力してきた.例えばディジタル一眼レフ・カメラ向け画像処理LSI(Milbeaut)では,2007年度の世界シェアの50%を獲得しているという.このほか,地上デジタル放送チューナLSI(OFDM LSI)やH.264 CODEC LSI,WiMAX対応ベースバンドLSIなどにも力を入れている.
汎用マイコンについては,アジア市場向けの製品を強化する.中国四川省の成都にあるデザイン・センタに開発リソースを集中し,品種数を従来の5倍にする計画.また,ODM(own design manufacturing;相手先ブランドによる設計・製造受託)やEMS(electronics manufacturing service;製造受託サービス)などの企業へ,積極的に営業を行っていく.
2009年には営業利益率を5%に,2010年以降は7%に引き上げていきたいという.株式公開や外部からの資本投入などによる資金調達の予定については,「現在のところ白紙」(富士通 代表取締役副社長の小野敏彦氏)とする.
[写真1] 富士通 代表取締役副社長の小野敏彦氏(富士通マイクロエレクトロニクス 代表取締役社長に就任予定)
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