売れ行き伸びるBlu-ray/HD-DVD，ディジタル一眼レフは20万円以上の高価格モデルが売り上げ金額の28.4％を占める

　新聞・出版および調査サービスの会社であるBCNは，全国大手家電量販店24社，約2300店舗のPOSデータを集計した「BCNランキング」を分析し，ディジタル家電やパソコン関連商品に関する2007年の年末商戦における市場動向を発表した．

　DVDレコーダについては，Blu-rayやHD-DVDといった次世代DVD規格レコーダの売り上げが大幅に伸びた一方で，従来からのDVDレコーダの売り上げは，台数ベース，金額ベースともに昨年の7～8割程度にとどまった．その結果，2007年11月にはDVDレコーダの売り上げのうち，台数ベースで21.6％，金額ベースで37.1％を次世代DVDレコーダが占める結果となった．年末は次世代DVDレコーダの供給が追いつかず，構成比率は若干下がったが，店頭では「品物があればいくらでも売れた」状況だったという．BCN取締役の田中 繁廣氏は，「2008年春から夏にかけて，各メーカは次世代機に力を入れていくだろう．次世代機の構成比率は4～6割あたりになるだろう」と分析した．

　ただし，その後の動向についてはよく分からないという．米国などでは“映像はネットから拾う”ことが当たり前になっており，ローカル・ディスクに映像を蓄積するDVDレコーダが海外でも普及するとは限らない．「少なくとも，映像を残すものがローカル（ディスク）である必要はもうない，ということだけは分かっている」（田中氏）．

　次世代DVDレコーダのメーカ別台数シェアは，2007年12月時点でソニーが61.1％，松下電器産業が23.7％，シャープが10.1％，東芝が5.1％．ソニーは他社に比べて若干安めに価格を設定したことが効を奏しているようだ．東芝は年末商戦向け新製品の発売が遅れ，2007年11月は苦戦した．しかし，12月中旬に「RDA301」を発売し，ちょうどこのとき他社が製品を供給できていなかったこともあり，シェアを伸ばした．

　デジタル・カメラについては，11月，12月で一眼レフ・タイプが台数ベース，金額ベースともに前年に比べて4割強の伸びを示した．特に，20万円以上の高価格モデルが一眼レフ・タイプの売り上げ金額のうちの28.4％を占め，前年の11.6％から大きく伸びた．普及価格モデル（レンズや付属品を含めて10万円未満の製品）の売り上げ金額は一眼レフ・タイプ全体の41.0％であり，エントリ・クラス，中級クラス，上級クラスの棲み分けができているという．

　一方，コンパクト・カメラは，顔認識などの機能競争が一段落し，後はいかに軽く，安くできるかの競争になっている．その結果，2007年12月の売り上げ台数は対前年比108.7％だが，売り上げ金額は対前年比95.9％にとどまった．

　薄型テレビについては，11月中旬から大画面需要が盛り上がり，12月には台数ベースで対前年比122.9％，金額ベースで対前年比108.7％の伸びを示した．特に液晶ディスプレイ・テレビは40インチ型以上50インチ型未満，50インチ型以上の両方で台数が対前年比160％以上となった．一方プラズマ・ディスプレイ・テレビは，40インチ型以上50インチ型未満では台数が対前年比146.4％と健闘したものの，50インチ型以上では対前年比96.7％と，伸び悩んでいるようだ．

　薄型テレビのメーカ別台数シェアを見ると，40インチ型未満ではシャープが49.6％と圧倒的な強さを見せ，その後を松下電器産業，ソニー，東芝の3社が僅差で争っている．40インチ型以上ではソニーが29.9％，シャープが28.5％，松下電器産業が25.5％と並ぶ．薄型テレビについては各社の提携などの業界再編もあり，今後の展開に予断を許さない．

[写真1] DVD・HDDレコーダの台数の伸び率と構成比率（2007年）

[写真2] ディジタル一眼レフ・カメラの価格帯別構成比率とシリーズ別台数シェア（2007年12月）

[写真3] 薄型テレビの画面サイズ別販売台数と販売金額（2007年12月）