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NECエレクトロニクス,2008年はFlexRayマイコンに注力

 NECエレクトロニクスは,車載マイコン事業の展開について発表した.同社は,2006年の32ビットマイクロコントローラの生産量では,世界シェア21%で第2位のメーカである(米国Gartner Dataquest社の調べ).車載用マイコンについては,現在世界シェア15.5%で第3位(米国Strategy Analytics社の調べ).同社の事業全体の売り上げに占めるマイコン事業の割合は約26%で,さらにそのマイコン事業の6割弱が車載用マイコンである.

 自動車に搭載されるマイコンは,年々増加しており,高級車には100個程度,中級車には30~40個搭載されている.同社は,用途ごとにマイコンをシリーズ化してそろえている.例えば,ダッシュボード用にはV850Dシリーズ,エアバッグ用にはV850Rシリーズ,ボディ電装用にはV850Fシリーズといった32ビット・マイコンを用意する.また,低価格の自動車には,78K Fシリーズ,78K Kシリーズといった8ビット・マイコンが使われている.

 2008年より量産予定のマイコンV850E/PH03には,FlexRayコントローラが組み込まれている.FlexRayとは自動車の制御系LANの規格で,FlexRay Consortiumが仕様を策定している.現在,自動車の制御系LANではCAN(Controller Area Network)が主流.FlexRayの伝送速度は10Mbpsであり,CANの伝送速度の10倍である.また,CANはイベント・ドリブン型の通信なので,どこかのノードが通信要求を出すと,通信経路が占有されてしまう.一方,FlexRayは各ノードに一定のタイミングで送信権を与えるタイム・トリガ型の通信を行うので遅延が生じにくく,自動車の制御系に向いている.ネットワークを二重化できるので,信頼性も高い.

 自動車の事故防止や安全対策のためのLSIとしては,画像認識プロセッサ「IMAPCAR」を提供する.現在量産されているのは第1世代で,夜間の歩行者検知,前方車両・障害物検知,後方車両検知,白線認識,路面マーク・標識認識,ナンバ・プレートおよび信号機認識が可能である.開発中の第2世代では,昼間の歩行者認識,前方/後方障害物の認識,およびドライバの視線や目の開閉をモニタして警告を出すといった処理を実現させたいという.

 カー・ナビゲーションの分野では,英国ARM社と共同開発したマルチコア・プロセッサARM11 MPCoreを内蔵する「NaviEngine」を提供している.このプロセッサはARM11コアを4個備えている.英国Imagination Technologies社が開発したグラフィックスIPコアを採用しており,2次元と3次元のグラフィックス描画が可能.カー・ナビゲーション,ワンセグ放送,上記の画像認識情報の同時処理,同時伝達などが行える.


[写真1] 白線(走行レーン)を自動認識して走行する自動車模型


[写真2] 車載マイコン接続の例(緑色がFlexRayのケーブル,黄色がCANのケーブル,青色がLINのケーブル)

■連絡先
NECエレクトロニクス株式会社
TEL: 044-435-1676

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