富士通と三菱電機，3G携帯電話の電源回路とオーディオ機能を1チップ化したLSIを共同開発

　富士通と三菱電機は，3G携帯電話の電源回路とオーディオ機能を1チップに集積したLSI「MB39C311」を共同開発した．W-CDMAとGSM/GPRSの通信方式に対応する．ルネサス テクノロジの携帯電話向けプロセッサ「SH Mobile G2」や「SH Mobile G3」と組み合わせて利用できる．エヌ・ティ・ティ・ドコモが販売する3G携帯電話向けに開発した．

　5チャネルのDC-DCコンバータ，24チャネルのLDO（low dropout）回路，16ビットのリニア/A-law/μ-law PCM（pulse code modulation）に対応した音声CODEC，ステレオ再生に対応したシグマ・デルタ方式の16ビットD-Aコンバータ，受話レシーバ用アンプ，ヘッドホン用ステレオ・アンプ，ハンズ・フリー用アンプ，スピーカ用ステレオ・アンプ，I2Cインターフェース（状態通知・設定制御用）を内蔵する．また，携帯電話の充電機能や時計・カレンダ機能，アラーム割り込み機能，パワーON/OFFキー入力処理機能，バイブレータ制御機能，コネクタ接続インターフェース，マイク入力回路なども内蔵する．電源回路のスイッチング・ノイズがオーディオ機能に影響を与えないように，ノイズ対策を施したという．従来の電源LSIと比較して，待ち受け時の電源回路の消費電流を15％削減した．さらに，従来のオーディオLSIと比較して，音楽再生時の消費電流を50％削減した．

　電源電圧は3.1V～4.9V．外形寸法が7.6mm×7.6mm×0.8mmの309ピンWL-CSP（wafer level-chip scale package）に封止する．既にサンプル出荷を始めている．2008年2月から量産出荷を開始する．

[写真1] MB39C311の外観