トライピークス，ARMプロセッサ上で動作する組み込みLinuxの起動時間を1/2に短縮するソフトウェアを発売

　トライピークスは，ARMプロセッサ上で動作する組み込みLinuxの起動時間を1/2に短縮するソフトウェア「TP InstantBoot Version 1.0 for ARM architecture」を発売した．TP InstantBootは，システム・メモリとCPUレジスタの内容をスナップショット・イメージとして保存し，機器の電源投入時に保存したデータを復元して，Linuxカーネルやアプリケーションのロードおよび初期化時間を省略する．Linuxカーネルやアプリケーション・ソフトウェアには，ほとんど修正を加える必要がない．

　組み込み向けウィンドウシステム（Nano-X）の起動から表示までにかかる時間を測定したところ，通常のLinuxでは約14秒かかった．これに対して，本ソフトウェアを利用すると約7秒で済んだという．評価環境として，韓国Samsung Electronics社のARM9プロセッサ（S3C2440，ARM920Tコア内蔵，400MHz動作），128MバイトのRAM，4MバイトのNOR型フラッシュ・メモリ，128MバイトのNAND型フラッシュ・メモリなどを搭載するパイロン製のCPUボード「Bishop PE-201A」を利用した．使用したLinuxカーネルはKernel 2.6.22，ブート・ローダはU-Boot 1.2.0．

　TP InstantBootはこれまで，MIPS，x86，PowerといったCPUアーキテクチャに対応していた．ソフトウェア開発ツール・ベンダである横河ディジタルコンピュータがトラーピークスにARMアーキテクチャへの対応を要請し，またARMプロセッサに関する情報を提供することで，今回の製品化が実現したという．販売はトライピークスと横河ディジタルコンピュータの両社で行う．