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WindRiver,航空宇宙・防衛分野向けセキュア・アーキテクチャを発表

 米国WindRiver Systems社は,同社のリアルタイムOSであるVxWorksをベースとする航空宇宙・防衛分野向けセキュア・アーキテクチャ「MILS(Multiple Independent Levels of Security)アーキテクチャ」を発表した.また,同アーキテクチャに対応したOSカーネルである「VxWorks MILS」を開発していることを明らかにした.

 WindRiver社 Vice President,General Manager Aerospace and Defense BusinessのRob Hoffman氏によると,航空宇宙システム開発では,システムの複雑化,ネットワーク接続,安全とセキュリティ,SWaP(Space,Weight andf Power;小型,軽量,低消費電力),生産性の向上という五つの課題があるという.同社はこの市場に対して,安全規格ARINC653に対応したリアルタイムOS「VxWorks653」を提供していることを述べた.例えば,ジェット旅客機のBoeing 787では,フライト管理,ブレーキ,燃料管理,車輪制御を始めとする60種類のシステムでVxWorks653が使われているという.

 今回発表したMILSアーキテクチャは「マルチレベル・セキュア・デバイス」の概念を導入している.従来,セキュリティが要求される情報を扱う際には,セキュリティ・レベルごとに異なるコンピュータを用意することが多かった.例えば最上級の機密情報を扱うコンピュータ,通常の機密情報を扱うコンピュータ,一般的な情報を扱うコンピュータの3種類を用意していた.これに対してMILSアーキテクチャでは,単一のコンピュータ/単一のOSで複数のセキュリティ・レベルを扱えるようにすることを目標としている.この考え方は,コンピュータだけでなくネットワークにも適用され,単一のコンピュータで複数のネットワーク・セキュリティ・レベルを実現する.

 複数のアプリケーションを異なるセキュリティ・レベルで動作させるために,OSがアプリケーションをパーティションに分けて管理する.これにより,一般アプリケーションがセキュリティ・レベルの高い情報にアクセスできない.具体的には,メモリ空間やCPU時間,コンフィグレーション・データをアプリケーションごとに分離する.さらに,アプリケーション同士が無許可の通信を行わないことを保証する.これらのアプリケーションはVxWorks MILSの構成要素の一つであるSeparation Kernel Hypervisor上で動作する.またSeparation Kernel Hypervisor上では,仮想化技術によりLinuxやWindowsを動作させることもできる.


[写真1] ウインドリバー 代表取締役社長の藤吉 実知和氏


[写真2] WindRiver Systems社 Vice President,General Manager,Aero Space and DiffenceのRob Hoffman氏

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ウインドリバー株式会社
URL: http://www.windriver.com/japan/

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