AMD，デスクトップ・パソコン向けのクアッド・コア・プロセッサを発売

　米国Advanced Micro Devices（AMD）社は，デスクトップ・パソコン向けのクアッド・コア・プロセッサ「Phenom」を発売した．本プロセッサは，デスクトップ・パソコン向けとしては同社初のクアッド・コア品である．最大バンド幅41.6Gバイト/sを実現したHyperTransport 3.0インターフェースを備えている．Hyper Transportとは，AMD社が策定したCPU-チップセット間やマルチプロセッサ間を接続するインターフェース技術である．

　本プロセッサは，DDR2-1066に対応したデュアルチャネル・メモリ・コントローラを備える．また，CPUの各コアにある2次キャッシュの先に，2Mバイトの共有3次キャッシュを設け，データの受け渡しの高速化を図っている．

　本プロセッサの発売と同時に，本プロセッサを搭載するメイン・ボードがボード・メーカ各社から発売された．AMD社からは性能設定ソフトウェア「OverDrive」が提供される．性能設定には，三つのモードが用意されている．「Novice Mode」は，初心者でも簡単に設定できるモードである．「Advanced Mode」は，パワー・ユーザ向けのモードで，細かい設定が行える．「Auto Clock」は，全自動で設定できるモードである．例えば，「Advanced Mode」では，各CPUコアの動作クロック周波数をバラバラに設定したり，一つのCPUに重い負荷をかけるなどの設定を行える．

[写真1] Phenomプロセッサの外観

[写真2] Phenomを搭載した台湾Micro-Star International（MSI）社製のメイン・ボード

[写真3] コア3の動作クロックをほかのコアの倍の2400MHzに設定した例