エプソン，STN LCDコントローラとVRAMを内蔵した16ビットRISCマイコンを発売

　セイコーエプソンは，STN（super twisted nematic）LCDコントローラとVRAM（video random access memory）を内蔵した16ビットRISCマイコン「S1C17801」を発売する．液晶ディスプレイを備えた健康器具やセンサ・システム，警報装置，家電機器などへの組み込みを想定して開発した．

　最大16階調のモノクロ表示に対応する．内蔵VRAMの容量は2Kバイト．内蔵VRAMだけを使用する場合，2階調で最大120ドット×120ドットのLCDパネルを制御できる．外部SRAMをVRAMとして使用する場合，16階調で最大320ドット×240ドットのLCDパネルを制御できる．VRAMを内蔵するLCDドライバICに表示データを転送するDMA（direct memory access）機能を備える．

　CPUコアとして，同社独自の16ビットRISCコア「S1C17」を搭載する．動作周波数は48MHz．上述のVRAMのほか，128Kバイトのフラッシュ・メモリと4KバイトのRAMを内蔵する．また，インターフェース機能として，USB 2.0ターゲット・コントローラ（フルスピード・モード，12Mbps対応），オーディオ用I2Sバス・インターフェース，SPIインターフェース（マスタ/スレーブ），I2Cインターフェース（マスタ），UARTインターフェース（115,200kbps，IrDA 1.0対応），赤外線通信インターフェースを備える．このほか，独立電源で動作するリアルタイム・クロック，電源OFF時に汎用RAMの内容を保持するバックアップRAM機能，16ビットPWMキャプチャ・タイマ/カウンタ，8チャネルの10ビットA-Dコンバータなどを備える．

　電源電圧は，コア部とリアルタイム・クロック部が3.00V～3.60V，I/O部が2.70V～5.50V．動作時の消費電流は標準40mA，休止（HALT）モード時は標準20mA，スリープ・モード時は標準4μA（48MHz，3.3V動作）．パッケージは，外形寸法が14mm×14mm×1.2mm，端子間ピッチが0.4mmの128ピン薄型QFP．

　2007年12月中に量産出荷を開始する．

[写真1] S1C17801の外観