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Xilinx,MMUを内蔵するFPGA向けソフト・マクロCPUの新版を発売

 米国Xilinx社は,MMU(memory management unit)を内蔵するFPGA向け32ビットCPUコアの新版「MicroBlaze v7」を開発した.MMUを搭載したことにより,手を加えなくてもLinuxがそのまま稼働するようになった.MMUは,多段階保護機能のみのPrivilegeモード,メモリ保護機能を備えるMPUモード,アドレス変換機能を備え,Linuxが動作するMMUモードの3種類の形態で使用できる.本CPUコアは,RTL(register transfer level)のHDLデータ(ソフト・マクロ)としてユーザに提供される.

 プロセッサ・インターフェースとして,新たに「PLBv46」と呼ぶバスを用意した.米国IBM社のCoreConnect Busの一つであるPLB(Processor Local Bus)をFPGA向けに拡張した.具体的には,既存のPLBが32ビット幅と64ビット幅にのみ対応しているのに対して,PLBv46は128ビット幅にも対応している.また,DDR/DDR2メモリと接続するためのDMA(direct memory access)内蔵マルチポート・メモリ・コントローラを用意した.さらに,CPUコアとマルチポート・メモリ・コントローラの間,およびDMAとEthernet MAC(media access control)の間を直結するローカル接続も用意した.

 加えて,浮動小数点演算関連の命令を三つ追加した.すなわち,浮動小数点数の平方根(FSQRT),浮動小数点数から整数への型変換(FINT),整数から浮動小数点数への型変換(FLT)である.例えば,ソフトウェア・ライブラリを使ってFSQRTを処理すると,500クロックかかる.一方,この命令をハードウェア化することで,27クロックで処理できるようになる.また,コプロセッサ制御用の簡単な命令(FSL)も用意した.本CPUコアの内部信号のトレースには,ドイツLauterbach Datentechnik社の「TRACE32」やコンピューテックスの「F-Sight」を利用できる.

 本CPUコアは,同社の開発環境「Embedded Development Kit(EDK)」に含まれる.EDKは,本CPUコアのほかに,周辺機能のIPコアやEclipse対応のソフトウェア開発ツール,メモリ保護機能に対応したモニタ・プログラム,米国LynuxWorks社のBlueCat Embedded Linux評価版,Spartan-3E 1600Eボードなどから成る.


[写真1] Embedded Development Kitの外観

■価格
495ドル(EDK,ソフトウェアのみ)
595ドル(EDK,Spartan-3E 1600Eボードを含む)

■連絡先
ザイリンクス株式会社
TEL: 03-5321-7740
URL: http://www.xilinx.co.jp/

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