Sun Microsystems，移動可能な輸送コンテナ型データ・センタを公開

　米国Sun Microsystems社は，移動可能な輸送コンテナ型データ・センタ「プロジェクト・ブラックボックス」を東京都港区の東京プリンスホテルで公開した．外形寸法は，ISO標準の20フィート輸送コンテナと同じ6.1m×2.5m×2.6m．

　同データ・センタは，輸送用のコンテナの中にサーバやストレージ機器用の七台のラックと，制御機器用の一台のラックを搭載する．水冷式熱交換装置も備える．外部からAC電源，冷却水，ネットワークを引き込むことが可能で，防じん用のエア・フィルタも備える．

　輸送コンテナ型のデータ・センタなので，トラックや貨車で移送することが可能．例えば，建物の屋上や駐車場，海上の石油掘削現場などにも設置できる．

　中に入れる機器の構成にもよるが，280台のSun Fireサーバを使用して，2,240のCPUと17,920の演算スレッドを提供できるという．また，標準的なラック・マウントに対応した機器であれば，Sun社以外のサーバなども搭載可能．従来のデータ・センタの設計・設置に比べ，1/10の工期で稼動可能だ．

　用途として，データ・センタの拡張・増強，ネットワーク再構築時などの暫定利用，災害回避用，軍事用，ASP(Application Service Provider)などの大規模ネットワーク・サービスなどを想定している．

　発売時期は2008年．

[写真1] プロジェクト・ブラックボックスの外観（実際の製品の色は「白」とのこと）

[写真2] コンテナ内部のサーバ・ルーム（冷却水と配線は天井をはわせている）

[写真3] 冷却水のホース（中央）と電源コード（右下）