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QNX,カーネルを含むOSのソース・コードを公開

 カナダQNX Software Systems社の日本法人であるQNXソフトウエアシステムズは,開発者向けコンファレンス「QNXジャパン テクノロジ イノベーション コンファレンス 2007」を,2007年10月24日にカナダ大使館(東京都港区赤坂)にて開催した.QNXマーケティング部長のDave Curley氏は,「QNXハイブリッド ソフトウェア モデル-イノベーションを加速する」と題した基調講演の中で,カーネルを含むQNX OSのソース・コードを公開することを発表した.同社はこれを「ハイブリッドソフトウエアモデル」と呼んでおり,QNX Neutrinoマイクロカーネル,ベースCライブラリ,BSP(Board Support Package)が公開の対象となる.これらのソース・コードを閲覧できるだけでなく,改変も可能である.改変を行ったソース・コードについては,QNX社と開発コミュニティへ還元するか,改変内容を非公開とするかを選択できる.また,改変物の再配布も可能.OSのランタイムの商用配布は,従来通りロイヤリティが必要になる.ただし,非商用目的の開発,教育機関関係者,認可されたパートナに対してはQNX開発ツールとランタイム製品が無償で提供される.

 続く,QNXソフトウエアシステムズの唐暁 丹氏による「次世代設計を変える5つの新技術」という講演では,マルチコア,アダプティブ・パーティショニング,マルチメディア,グラフィックス,音響処理の5項目について,QNX OSの機能を紹介した.新機能のアダプティブ・パーティショニングは,各処理をパーティションで分け,パーティション内で使用するCPU時間およびメモリを保証する機能である.あるパーティションがCPU資源を設定された限界まで使っていても,ほかのパーティションでは問題なくCPU資源を使用できる.さらにCPU時間に空きがある場合,CPU時間を大量に使用するパーティションにCPU時間を再割り当てすることにより,CPUを有効利用できるという.

 午後の「イマーシブ インターフェイスの構築」と題したセミナでは,同社のグラフィックス・ツールキット「QNX Advanced Graphics TDK 2.0.0」を用いたグラフィックス環境の構築法が紹介された.同ツールキットは,組み込みアプリケーション向けの3Dグラフィックス・フレームワークであるOpenGL ES 1.0をサポートしている.また,組み込み向け2Dグラフィックス環境として,Adobe Flash Playerを用いた地図表示ソフトウェアの例も紹介した.これは,FlashプレーヤをQNX OS上で動作させることにより,組み込み機器のGUIをswfアプリケーションとして作成できるというもの.FlashプレーヤはQNX OSが対応している各種CPUで稼働する.QNX OSのGUI環境であるPhoton MicroGUIの上でも動作するし,Photonがない環境でも動作する.


[写真1] QNX Software Systems社マーケティング部長のDave Curley氏


[写真2] QNXソフトウエア システムズの唐暁 丹氏


[写真3] Flashで作成した地図表示ソフトウェア

■連絡先
QNXソフトウエアシステムズ株式会社
URL: http://www.qnx.co.jp/

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