ARM，クアッド・コア構成で最大8000Dhrystone MIPSの処理性能を持つCPUコアを発売

　英国ARM社は，シングル・コア構成で最大2000Dhrystone MIPS，クアッド・コア（4コア）構成で最大8000Dhrystone MIPSの処理性能を持つCPUコア「Cortex-A9」のライセンス供給を開始した．Cortexファミリでマルチコア構成に対応したのは，今回のCPUコアが初めて．スマートホンや携帯機器，ディジタル家電，車載機器，ネットワーク機器，OA機器，ディジタル・ビデオ・カメラなどに利用できる．

　オプションとして，浮動小数点演算ユニット（FPU）やメディア処理回路（NEON），2次キャッシュ・コントローラなどを追加できる．また，マルチコアのプログラム・トレースに対応したオンチップ・デバッグ用マクロセル（PTM）を内蔵している．

　本CPUコアは可変長のスーパスカラ・パイプラインを備えている．パイプラインの段数は最大8．1サイクル当たり最大四つの命令を同時に実行でき，アウト・オプ・オーダ命令実行にも対応する．

　台湾TSMC（Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.）の65nm Gプロセスで製造した場合の動作周波数は500MHz～1GHz，コア・ロジックの占有面積は1.5mm2未満．

　ソフトウェア開発には同社の統合開発環境「ARM RealView Development Suite」を利用する．