イーソル，マルチコア・プロセッサ対応リアルタイムOSのスケジュール機能を拡張

　イーソルは，マルチコア・プロセッサ対応リアルタイムOS「eT-Kernel Multi-Core Edition」のスケジュール機能を拡張した．本OSは，T-Engineフォーラムが標準化したマルチプロセッサ対応T-Kernel（MP T-Kernel）の仕様に基づいている．

　同社の従来製品は，対称型と非対称型の両マルチプロセッサ構成に対応した二つのスケジューリング・モード「True SMP Mode（TSM）」と「Single Processor Mode（SPM）」を備えていた．

　今回の機能拡張では，二つのスケジューリング・モードをベースにさらに二つのモード「Single Processor Mode on TSM cores (SPM on TSM)」と「Serialize threads on TSM cores (SRL on TSM)」を追加し，合計四つのモードとなった．

　「SPM on TSM」は，TSMモード下でプログラムを実行する複数のコア(TSMコア)の中から，プログラムが動作するCPUコアを開発者が指定できるモードである．「SRL on TSM」は，TSMモード下でプログラム内の一つのタスクのみを実行するモードである．プログラムが動作するCPUのコアについてはOSが選択する．つまり一度に二つ以上のタスクが同時に実行されることはなく，一つ一つ順番に（シリアルに）実行される．

　四つのスケジューリング・モードを利用することで，より柔軟なシステム設計が可能となり，さらソフトウェア資産の再利用性が向上するという．

　2007年10月16日東京コンファレンスセンター品川（東京都港区）で開催されるアーム（英国ARM社の日本法人）のプライベート・ショゥ「ARM Forum 2007」のイーソルのブースにて，機能拡張した「eT-Kernel Multi-Core Edition」のデモンストレーションを実施する予定．