リコー，352個の16ビット・プロセッサ・エレメントを備える98.6GOPSの画像処理プロセッサを発売

　リコーは，ピーク性能が98.6GOPS（giga operation per second）の画像処理プロセッサ「Ri2001A」を発売した．同社が独自に開発したSIMD（single instruction/multiple data）方式のプロセッサ・コア「Ri20」を内蔵する．このコアは，352個のプロセッサ・エレメント（16ビット精度の演算ユニット）を備えており，これを利用して画像データを並列処理する．本プロセッサ内部の動作周波数は280MHz（入力クロック周波数は35MHz）．ピーク性能時の消費電力は約2W．69種類のSIMD命令と43種類の制御命令を用意する．

　各プロセッサ・エレメントは1KバイトのRAMを持っており，これをライン・バッファとして使用できる．つまり，外部にライン・バッファを持つ必要はない．また一般に，主走査の走査時間内に処理が完了するため，外部にページ・メモリを持つ必要もない．主走査ピクセル数が8,192ピクセル（8Kバイト）の画像を基本に，最大50,176ピクセル（49Kバイト）の画像を扱える．

　画像の拡大・縮小，ミラー，LUT（look-up table）変換，ステート変換については，専用回路を内蔵している．また，16ビット構成の画像ポートを8ポート装備する．例えば16ビット4色入力，16ビット4色出力の画像処理システムを構築できる．一つのプロセッサで処理性能が足りない場合は，画像ポートを介して複数のプロセッサを直結し，マルチプロセッサ構成を採ることによって，性能を引き上げられる．電源電圧は，コア部が1.2V，I/O部が3.3V．パッケージは336ピンのプラスチックBGA．

　ソフトウェアの作成には，専用のソフトウェア開発支援ツールが必要になる．本ツールを利用すると，作成した画像処理アルゴリズムをその場で評価できる．そのため，ASICやFPGAを利用して画像処理を実現する場合より，開発・検証に要する期間を短縮できるという．ソフトウェア開発支援ツールは，ガイオ・テクノロジーやコンピューテックス，ケーアイテクノロジーから提供される．

[写真1] Ri2001Aの外観