エプソン，複数の欧州言語に対応した音声合成LSIを発売

　セイコーエプソンは，複数の欧州系言語に対応した音声合成LSI「S1V30120」を発売した．北米英語，欧州スペイン語，南米スペイン語の3言語に対応する．テキスト・データを入力すると，リアルタイムに音声信号を出力する．サンプリング周波数は11.025kHz．文単位にピッチと速度を変更できる．音声合成には，米国Fonix社の多言語TTS（Text-to-Speech）Fonix DECtalk Ver.5と呼ぶ技術を採用している．音声ガイド機能を備えるOA機器や産業用機器などへの搭載を想定している．

　音声合成機能とは別に，ADPCM（Adaptive Differential Pulse Code Modulation）コーデックを備えている．例えば，固定文章はADPCMで，可変文章は音声合成で再生できる．ADPCMのビット・レートは24kbps～80kbps，サンプリング周波数は8kHzまたは16kHz．

　このほか，音量調整機能や，ホストとなるマイコンと接続するためのクロック同期式シリアル・インターフェース，音声出力用の16ビットD-Aコンバータなどを備える．電源電圧は，コア電圧が1.8V，I/O電圧が3.3V（いずれも標準値）．外部入力クロック周波数は32.768kHz．

　外形寸法が10mm×10mm×1.2mm，ピン間隔が0.5mmの64ピンTQFPパッケージに封止する．