National Semiconductor，産業機器などに使えるスイッチング周波数1MHzのレギュレータを発売

　National Semiconductor社は，産業機器などに使えるスイッチング・レギュレータLSI6品種を発売した．それぞれ入力電圧範囲とスイッチング周波数範囲，出力電流などが異なる．「LM5574」，「LM5575」，「LM5576」は入力電圧範囲が6V～75Vで，スイッチング周波数は50kHz～500kHz．出力電流はそれぞれ0.5A，1.5A，3.0Aである．「LM25574」，「LM25575」，「LM25576」は入力電圧範囲が6V～42Vで，スイッチング周波数は50kHz～1MHz．出力電流はそれぞれ0.5A，1.5A，3.0Aである．出力電圧は，1.225Vから入力電圧まで．車載電子機器やFA機器，パチンコなどに使えるという．

　本レギュレータは，EMI（electro-magnetic interference）低減のために周波数同期ピンを備える．このピンを利用すると，複数のレギュレータが使用されているシステムにおいて，スイッチングによるノイズの周波数をそろえることができ，ノイズ対策が施しやすいという．また，短絡保護機能や過熱時のシャットダウン機能などを備える．同社のエミュレーテッド電流モード（ECM）技術により，従来の電流モード制御では実現できない低いデューティの制御が行えるという．

　同社は，電源回路設計を支援するWebサイト「WEBENCH」を通して，本レギュレータの開発支援ツールやサポート情報などを提供している．従来は，必要な入出力電圧を入力していた．今回から，要求される基板面積と変換効率の条件を設定をできる入力フォームを新しく追加した．同サイト上では，使いたいレギュレータの電気特性や放熱特性を調べるためのシミュレーションも行える．同社はまた，「Built It! カスタム電源プロトタイプ・キット」と呼ばれる数日以内にカスタム電源を試作するサービスも提供しているという．

[写真1] LM25576の外観（中央の20ピンSOPのIC）

[写真2] WEBENCH上に今回新しく追加された，要求される基板面積と変換効率を入力するダイヤル

[写真3] WEBENCH上で行えるレギュレータの放熱シミュレーション

[表1] LM557xとLM2557xの主な特性