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Mentor,CPUクラスタによる分散処理に対応したLSIのレイアウト検証ツールを発売

 米国Mentor Graphics社は,CPUクラスタに対応したLSIのレイアウト検証ツール「Calibre nm DRC」を発売した.例えば8CPUのクラスタ・マシンで処理した場合,1CPUの場合の5~8倍の性能向上を期待できるという.

 同社の従来製品(Caribre DRC)は,SMP(symmetrical multiprocessor)マシンによるスレッドの並行実行に対応していた.しかし,セル単位に処理を行っていたため,処理に時間のかかるスレッドが存在すると,その処理がボトルネックとなって,CPUの稼働率にばらつきが生じることがあった.今回の製品は,CPUクラスタ向けの負荷分散の機能を備えている.トータルの処理時間が短くなるように事前にスレッドをスケジューリングし,空いているCPUに対してジョブを逐次投入していく.これにより,CPUが待機している時間がほとんどなくなり,検証にかかる時間を短縮できるという.

 また,処理の途中でレイアウト上の不ぐあい箇所が検出された場合,処理の終了を待たずに該当箇所をグラフィックス表示する機能(Dynamic Results Visualization)や,エラーを修正するためにレイアウトを変更した際に,変更箇所のみを再検証する機能(Incremental DRC)も備えている.

 例えば,80nmプロセスで製造する3.84億ゲートのグラフィックスLSIのレイアウト・データ(18.9GバイトのGDSファイル)を100CPUクラスタ(50個のデュアル・コア・プロセッサ,各プロセッサは2.8GHzで動作)で検証したところ,1.8時間で処理が終了したという.また,0.13μmプロセスで製造する1.5億ゲートのASICのレイアウト・データ(8.3GバイトのGDSファイル)を60CPUクラスタで検証したところ,2.37時間で処理が終了した.

 米国Cadence Design Systems社や米国Magma Design Automation社,Mentor社,米国Synopsys社のレイアウト設計ツールに統合して利用できる.対応するOSはLinux,Solaris,HP-UX.現在,特定の顧客に限定してベータ版を提供している.一般顧客への出荷は2006年8月から.

■価格
300万円から

■連絡先
メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社
TEL: 03-5488-3035
URL: http://www.mentorg.co.jp/

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