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SiTime,経年変化が±0.05ppm,周波数偏差が±50ppm~±100ppmのMEMS発振器を発売

 米国SiTime社は,MEMS(micro electro mechanical systems)技術を用いたシリコン(Si)発振器「SiResファミリ」を発売した.発振周波数を1MHz~125MHzに設定できる(1回書き込みのみ)「SiT8002」と周波数が固定の「SiT1xxx」の2シリーズからなる.それぞれのシリーズについて,周波数偏差が±50ppm(ppmは百万分の1)の品種と±100ppmの品種を用意する.最初の1年間の周波数の経年変化は,標準±0.05ppm,最大±2ppm.民生機器における水晶発振器の置き換えをねらう.

 MEMS技術を用いることで,発振器の小型化やCMOS回路との集積を実現できる.その一方で,MEMS技術を用いたシリコン発振器には,温度安定性や経年変化などが水晶発振器と比べて劣るという課題があった.そこで同社は,ドイツRobert Bosch社からMEMS製造プロセス技術「MEMS-First」に関するライセンスを受け,本シリコン発振器を開発し,水晶発振子と同等の周波数偏差や温度安定性を実現した.

 パッケージは4ピンQFN.外形寸法は最小のもので2.0mm×2.5mm×0.85mm.動作温度範囲は,-45℃~+80℃の品種と0℃~+70℃の品種を用意する.動作電圧は,1.8V,2.5V,3.3V.

 すでにサンプル出荷を開始している.量産出荷は2006年9月から開始する予定.SiTime社は,2004年12月に設立されたファブレスの半導体メーカで,MEMS技術を用いたシリコン発振器やその関連製品を開発している.

 なお,本シリコン発振器の製造プロセスは次のとおりである.まず,エッチングによってSOI(silicon on insulator)ウェハに幅0.4μm,深さ10μmのトレンチ(溝)を彫り,共振子のビーム(はり)を形成する.その後,トレンチを絶縁層(シリコン酸化膜)で埋め,SOIウェハ表面を多結晶シリコンで覆い,薄くエピタキシャル成長させる.多結晶シリコンが成長したら,電極部および複数の0.25μmの穴をエッチングし,1,100℃の高温で熱処理(アニール)を施す.このとき,フッ化水素(HF)を0.25μmの穴から注入し,トレンチ部の絶縁層を除去する.こうして,共振子が動作するための空間が形成されると同時に,その空間の有機物を燃焼する.また,高温でアニーリングされる,HF注入用の穴がふさがれ,共振子は真空状態で封止されることになる.その後,多結晶シリコンをさらに成長させ,コンタクト孔やメタル・パターン(Al配線)を作って共振子を駆動させるための電極部を形成する.


[写真1] SiTime社のCEO,および設立者のひとりであるKurt Petersen氏


[写真2] 本シリコン発振器の製造プロセス

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株式会社アムスク
URL: http://www.amsc.co.jp/

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