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Analog Devices,電圧ノイズ密度が2.5nV/√Hz,レール・ツー・レール動作可能な産業用途向けOPアンプICを発売
ニュース 2005年5月17日
米国Analog Devices社は,電圧ノイズ密度が2.5nV/√Hzの産業用途向けOPアンプIC「AD8675」を発売した.温度ドリフトが最大0.2μV/℃,オフセット電圧が最大20μVと低い(いずれも標準値).電源電圧は±5~±15Vの正負2電源で,レール・ツー・レール動作可能(出力電圧をほぼ電源電圧まで引き上げられる).電源電圧が±15V/3mAの場合の消費電力は約90mW,±5Vの場合は約30mW.高精度フィルタ回路や電源制御などに用いられる.
本OPアンプICは,同社が開発した産業用途向けのバイポーラ・プロセス「iPolar」を用いて製造される.本プロセス技術では,バイポーラ・トランジスタ間の絶縁方式として,従来のPN接合ではなく,ポリシリコンで満たした深い溝をトランジスタ間に挿入するトレンチ構造を採用した.PN接合の場合と比べて寄生容量が低減するため,高速化につながる.本プロセス技術を利用して製造したバイポーラ・トランジスタのカット・オフ周波数は,NPNの場合が1.1GHz,PNPの場合が750MHz.
このほか,同じプロセス技術を利用して製造したOPアンプ「AD8677」と「ADA4004-4」も発売した.AD8677は,CMRR(同相信号除去比)が130dB,PSRR(電源電圧除去比)が110dBと高く,電源変動などに対する耐性が高い.一方,ADA4004-4はOPアンプを4個搭載している.OPアンプ一つ当たりの消費電流は1.7mA.電圧ノイズ密度は2nV/√Hzと低い.いずれの製品も動作温度範囲は,-40~+125℃.
3製品とも,すでにサンプル出荷を開始している.AD8675とAD8677の量産出荷の開始時期は2005年9月,ADA4004-4は同年10月の予定.
[写真1] AD8675の外観
[写真2] 「iPolar」プロセス技術(トランジスタ間を絶縁する二つの溝がわかる)
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