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Analog Devices,アパーチャ・ジッタを60fsに抑える回路を搭載したA-Dコンバータを発売
ニュース 2005年5月10日
米国Analog Devices社は,アパーチャ・ジッタを60fs(フェムト秒)に抑えた高精度のA-Dコンバータを発売した.アパーチャ・ジッタとは,アパーチャ時間(サンプリング・クロックのエッジから実際にサンプリングが開始されるまでの時間)が入力信号の大きさによってばらつくことを指し,これはA-Dコンバータの精度に影響を与える.アパーチャ・ジッタの影響を低く抑えるため,今回のA-DコンバータにはDCR(duty cycle stabilizer)というクロック改善用の回路を搭載した.
14ビットA-Dコンバータ「AD9445」では,サンプリング速度が105Mサンプル/s(AD9445-105)と同125Mサンプル/s(AD9445-125)の2品種を用意する.800MHzのアナログ帯域幅に対応している.また,255MHz/2Vp-pのアナログ入力信号を125Mサンプル/sでサンプリングする場合,SFDR( spurious-free dynamic range)が85dBcと高い.このため,4G(第4世代)携帯電話などに要求される数百MHzオーダのIF(中間周波数)のサンプリングを行っても信号が劣化しにくいという.上記の条件におけるS/Nは73.5dB.DNL(微分非直線形性)は±0.2LSB,INL(積分非直線性)は±0.6LSB.
16ビットA-Dコンバータ「AD9446」では,サンプリング速度が80Mサンプル/s(AD9446-80)と同100Mサンプル/s(AD9446-100)の2品種を用意する.3.2Vp-pのアナログ入力信号を100Mサンプル/sでサンプリングする場合,SFDRは90dBc,S/Nは80dB.DNLは±0.5LSB,INLは±3.0LSB.
両製品ともにWEEE/RoHS(有害物質使用規制)の基準に対応している.また,AD9445とAD9446はピン互換性を持つ.
すでにサンプル出荷を開始している.量産出荷は2005年9月から開始する予定.
[写真1] SFDRの比較(いちばん上の黒の実線がAD9445-125)
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