National Instruments，分解能を可変にして広範囲のサンプリング速度に対応させたPXI波形収集ボードを発売

　米国National Instruments社は，PXI（PCI eXtensions for Instrumentation）バス規格に対応したモジュール式の計測器向け波形収集ボード「NI PXI-5922」を発売した．DC（直流）から15Mサンプル/sまでのサンプリング速度に対応している．A-D/D-Aコンバータやオーディオ機器の評価，I/Q信号の測定などに利用できる．メモリ容量の異なる「779153-01（8Mバイト）」，「779153-02（32Mバイト）」，「779153-03（256Mバイト）」の3品種を用意する．

　広範囲のサンプリング速度に対応するため，分解能を可変とした．例えば，500kサンプル/sまでは24ビットの分解能に対応するが，1Mサンプル/sでは22ビット，5Mサンプル/sでは20ビット，15Mサンプル/sでは16ビットになる．このような機能を実現するため，同社は独自のASIC（application specific integrated circuit）を開発した．本ASICは，変調部（6ビットA-D/D-Aコンバータ，4次ループ・フィルタ）とDSPで構成されている．変調部で発生したノイズや非線形性はDSPを用いて補正している．同社のモジュール式計測器用ボードは市販の部品で構成することが多いが，今回は専用ASICを用いることでボードそのものの価格を抑えることができたという．

　これとは別に，電流/電圧やLCRを計測するマルチメータ・ボード「NI PXI-4071（778271-01）」も発売した．本マルチメータ・ボードのサンプリング速度は最大1.8Mサンプル/s．7サンプル/s時の分解能は26ビットで，この場合の測定確度は7.5けたになる．電圧は±10nV～±1000V，電流は1μA～3A，抵抗は10μΩ～5GΩの測定が可能である．

[写真1] NI PXI-5922の外観

[写真2] NI PXI-4071の外観