iAnywhere，サーバとのデータ同期を実現する組み込み機器向けデータベースの日本語版を発売

　米国iAnywhere Solutions社は，基幹データベース・サーバとのデータ同期を実現する組み込み機器向けデータベース・ソフトウェア「SQL Anywhere Studio 9」の日本語版を発売する．例えば，PDAや携帯端末，家電機器などに組み込むことを想定している．LANやWAN，インターネット（TCP/IPを利用するネットワーク）を介してサーバ上のデータベースと通信し，データを同期させる．なお，同社はデータベース会社である米国Cybase社の一事業部である．

　本ソフトウェアは，サーバ上に置くRDBMS（relational database management system）「Adaptive Server Anywhere」，Palm OSやPocket PC，JavaVM（virtual machine）などを搭載したクライアント機器に組み込む省メモリのデータベース・ソフトウェア「Ultra Light」，データベース間のデータ同期を行う「Mobile Link」から構成される．Ultra Lightは，Adaptive Server Anywhereのほか，Sybase Adaptive Server Enterprise，Oracle 8i/9i/10g，Microsoft SQL Server，IBM DB2 UDBなどともデータ同期を実現できる．

　今回のバージョンからXMLデータのインポートに対応し，データ伝送にXMLを利用しているシステムと統合しやすくなった．また，HTTPサーバを組み込み，クライアントからWebブラウザ経由でアクセスできるようになった．さらに，米国Microsoft社の.NET Frameworkや.NET Compact Frameworkとの連携を強化した．このほか，クエリ処理アルゴリズムやキャッシュ管理手法の改善，並列インデックス検索の導入などにより，処理性能を大幅に引き上げたという．

　Adaptive Server AnywhereにはWindows版とWindows CE版がある．Windows版は，Windows 95/98/Me/NT4.0/2000/XP/2003/XP Tblet PC Edition/XP Embeddedの上で稼働する．一方，Windows CE版は，Windows CE3.0（Pocket PC，Pocket PC 2002，Handheld PC），Windows CE4.1/CE4.2（Pocket PC 2003）の上で稼働する．Ultra Lightは，Windows XP/XP Embedded/XP Tablet PC Edition，Windows CE3.0（MIPS，ARM，XScale，x86），Windows CE4.1/CE4.2(ARMv4，ARMv4T，XScale)，Smartphone 2002/Smartphone 2003，Palm OS 3.x/4.x/5.0，JDK1.2，PersonalJavaの上で稼働する．

　2004年7月12日から出荷を開始する．