
米国Stretch社は,ユーザが手元でカスタム命令を追加できる32ビットRISCプロセッサ「S5000ファミリ」を発売する.CPUコア(S5 Engine)の内部に,プログラマブル論理で構成されたデータパス回路(ISEF:Instruction Set Extension Fabric)を組み込んだ.例えば,ISEFにTripleDES暗号や色空間変換の回路を実装することで,これらの処理を1命令で実行できるプロセッサ(一種の特定用途向けDSP)になる.カスタム命令の処理(関数)はC/C++で定義する.ISEFに実装する論理回路をHDLなどを使って設計することはできない.このような構成のプロセッサを,同社は「Software Configurable Processor」と呼んでいる.
本プロセッサのCPUコアは,米国Tensilica社のコンフィギャラブル・プロセッサ・コア「Xtensa」をベースとしている.CPUコアの動作周波数は最大300MHz.命令キャッシュ,データ・キャッシュ,デュアルポートSRAMを,それぞれ32Kバイトずつ内蔵している.また,MMU(memory management unit)やFPU(floating-point processing unit)のほか,PCI/PCI-X,10M/100M/ギガビットEthernet,UART,HDLC(high level data link control),SPI(serial parallel interface),GPIO(general purpose input/output)などのインターフェース回路を備えている.ISEFは128ビット幅の入力ポートを三つ備えており,128ビットのレジスタ・ファイルからデータを受け取ることができる.
ユーザはまず,C/C++のプログラム・コードをコンパイルし,本プロセッサの実行プロファイルを取って,負荷の大きい処理を洗い出す.次に,この処理をカスタム命令として定義し,再度,実行プロファイルを取る.負荷の大きい処理を順番にカスタム命令化していき,所望の性能に到達したら,ISEFのコンフィギュレーション・データ(ブート・イメージ)を生成する.
Cコンパイラや命令セット・シミュレータ,アセンブラ,プロファイラ,リンカ,エディタなどを含む開発環境(S5 Integrated Development Environment),評価用ボード,自社開発のBIOSなどを用意する.OSとして,米国MontaVista Software社の「MontaVista Linux」をサポートする.
内蔵するインターフェース回路の構成が異なる3品種を用意する.まず,PCI-XやギガビットEthenetのインターフェース回路を備える通信/ネットワーク市場向けの「S5610」を,2004年7月に出荷する予定.
[図1] S5 Engineの構成
[表1] S5000ファミリの概要
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| 型名 |
S5400 |
S5500 |
S5610 |
| CPUコア |
S5 |
S5 |
S5 |
| DDR SDRAMインターフェース |
DDR-333,32ビット
|
DDR-400,64ビット |
DDR-400,64ビット+ECC(error correcting code) |
| 内蔵SRAMの容量 |
256Kバイト |
256Kバイト |
256Kバイト |
| PCIインターフェース |
32ビットPCI(33MHz) |
32ビットPCI(66MHz) |
PCI-X |
| SysADバス幅 |
− |
− |
64ビット |
| Ethernet |
10M/100M Ethernet |
10M/100M Ethernet×4 |
10M/100M/ギガビットEthenet×4 |
| 出荷開始時期 |
2004年11月 |
2004年9月 |
2004年7月 |
| 応用分野 |
家電機器,マルチメディア機器,ワイヤレス機器 |
医用電子装置,OA機器,放送用機器 |
通信機器,ネットワーク機器,軍用電子機器 |

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