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EverCAD,台湾で普及しているフル・チップ検証用のミックスト・シグナル・シミュレータを日本で本格発売
ニュース 2004年3月29日
米国EverCAD Navigator社は,台湾で普及しているフル・チップ検証用のミックスト・シグナル・シミュレータ「ADiT」を日本市場で本格的に発売する.SIP(system in package)やSOC(system on a chip)に関する設計技術を開発している半導体ベンチャのシステム・ファブリケーション・テクノロジーズと,日本国内を対象とした総代理店権契約を結んだ.これまで,別の代理店を通して特定の顧客に本シミュレータを紹介していたが,本格的な販売活動は行っていなかったという.
EverCAD社は台湾の技術者が中心となって立ち上げたEDAベンチャである.フル・チップのミックスト・シグナル検証に利用できるADiTを開発し,台湾市場で発売したところ,数年でデファクト・スタンダードに近い市場シェアを獲得したという.現在,同社はアジアと北米を中心に販売活動を行っている.
本シミュレータは,「ADiT-SPICE」,「ADiT-TURBO」,「ADiT-MOT」,「ADiT-HDL」,「ADiT-VPI」の五つのポイント・ツールから構成される.
ADiT-SPICEは,Berkeley SPICE 3f5をベースとする回路シミュレータである.米国Synopsys社の回路シミュレータ「HSPICE」向けのデータをそのまま取り込むことができる.BSIM1~4のSpiceモデルに対応している.ADiT-TURBOは,分割アルゴリズムとマトリックス・ソルバを利用して高速化した回路シミュレータ.既存のSPICEシミュレータと比較した場合,処理速度は10~100倍になり,解析結果の誤差は±3%以下に抑えられるという.例えば,デルタ-シグマ方式の8ビットA-DコンバータのSPICEモデルをシミュレーションしたところ,約4時間で処理が終了した.ADiT-MOTは,メモリ回路やLCD(液晶ディスプレイ)駆動回路など,繰り返し構造を含む回路を高速に処理できる回路シミュレータである.
ADiT-HDLはこれらの回路シミュレータといっしょに単一プロセスで動作するVerilog HDLシミュレータ,ADiT-VPIはこれらの回路シミュレータとサード・パーティのVerilog HDLシミュレータ(NC-Verilog,Verilog-XL,VCS,ModelSim)を統合するためのインターフェース・ソフトウェアである.波形の表示や解析には,米国Novas Software社の「nWAVE」や米国Veritools社の「Undertow」を利用することもできる.
本シミュレータは,Solaris 5x,HP-UX 10x/11x,RedHat 6.x/7.xが動作するワークステーションやパソコンの上で稼働する.
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