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エプソンとルネサス,1チャネルの最大データ転送速度が200Mbpsの携帯電話向けインターフェース規格を無償公開

 セイコーエプソンとルネサス テクノロジは,両社が共同で策定した,画像データ転送および画像表示に特化した携帯電話向けシリアル・インターフェース規格「Mobile Video Interface Rev.1.0」を無償公開すると発表した.1チャネル当たりのデータ転送速度は最大200Mbps,消費電力は1.4mA.当面は携帯電話に使用されるが,ほかの携帯機器にも適用できるという.

 現在,携帯機器,特に携帯電話は,形状の多様化(折りたたみ型,回転型など),高精細の液晶表示や動画表示によるデータ量の増加に伴って,消費電力,ヒンジ部の電磁放射ノイズ(EMI)およびピン数の増加などの問題が深刻になってくる.こうした課題を解決するために両社は2003年9月から本インターフェース規格の策定を行っていた.

 本インターフェース規格では,LCD(液晶ディスプレイ)やカメラ,ベースバンドLSI,コントローラLSI(あるいはアプリケーション・プロセッサ)の間を接続するための物理層を規定する.サブセットとして,データリンク層の処理についても規格を策定する.今回公開されるのはLCD用のデータリンク層のみ.2004年第4四半期にはカメラの,2005年第1四半期にはベースバンドLSIのデータリンク層の規格を発表する予定.

 本インターフェース規格には,電流駆動型の小振幅の差動シリアル伝送を採用している.これによって,電磁放射ノイズの低減を図ることができた.また,本インターフェース規格の物理層には8b/10bエンコーディング/デコーディング機能も含まれる.

 基本的に,双方向の場合は8本の信号線(クロック,出力データ,入力データ,ストローブの各信号線の差動ペア),単方向の場合は4本の信号線(クロック,出力データの各信号線の差動ペア)で通信を行うことができる.データ信号線についてはチャネル数を増やすことも可能.

 両社は,本インターフェース規格専用の窓口を設置する予定.両社のうちどちらかを介して所定の手続きを行うことで仕様を入手できる.この仕様をもとにデバイスや機器を開発してもかまわない.ただし,ロゴの使用権や開発ツール(受信側/送信側の評価ボードなど)は,両社のパートナ企業にのみ提供される.なお,本ロゴは要求仕様を満たしていることを証明するものであり,互換性を保証するものではないという.

 セイコーエプソンは,まず,ベースバンドLSI/LCDコントローラとLCD間のブリッジ・チップを開発する.2005年第2四半期には同社のLCDコントローラ「S1D13シリーズ」に本インターフェースを搭載する予定.一方,ルネサスはSH-Mobile4から本インターフェースの搭載を始めるという.


[写真1] デモンストレーションのようす(写真上が送信側,写真下が受信側のLCD表示部)


[写真2] 「Mobile Video Interface」のロゴ

■連絡先
セイコーエプソン株式会社
TEL: 042-587-1286
URL: http://www.epson.co.jp/

株式会社ルネサス テクノロジ
TEL: 03-5201-5234
URL: http://www.renesas.com/jpn/

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