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MIPS,組み込みプロセッサ・コア向けのマルチスレッド技術を発表

 米国MIPS Technologies社は,組み込みプロセッサ・コア向けのマルチスレッド技術「MIPS MT ASE(Application Specific Extention)」を発表した.2004年に,同技術を採用した24Kファミリの32ビットCPUコア製品を発表し,その後,そのほかのファミリにも適用していくという.

 マルチスレッド技術は,一つのCPU上で複数のスレッドを並列に実行し,演算リソースを有効活用する技術である.例えば,あるスレッドの実行中にキャッシュ・ミスによるストールが発生した場合,別のスレッドを実行することによって処理性能の低下を抑える.一般に,プロセッサの動作速度が上がると,メモリの動作速度とのギャップが広がり,メモリ・アクセス時のデータの待ち状態が増加する.マルチスレッド技術を採用すると,こうした問題を緩和できるという.

 米国Intel社のパソコンやサーバ向けのマイクロプロセッサである「Pentium 4」や「Xeon」が,すでにマルチスレッド技術(Hyper-Threading)を採用している.MIPS社によると,組み込みプロセッサの分野でマルチスレッド技術が採用されるのは,今回が初めて.

 MIPS MT ASEでは,coarse grain thread(粒度の粗いスレッド)とfine grain thread(粒度の細かいスレッド)の2種類のモードが用意されている.coarse grain threadではプロセスのレベルでソフトウェア・プログラムを並列実行する.同社では,これをVPE(Virtual Processing Element)と呼んでいる.このモードでは,SMP(symmetrical multiprocessor)対応のソフトウェアをそのまま実行できる.ただし,OSがプロセスを管理する際のオーバヘッドが存在するため,並行処理による性能向上に制限がある.

 一方,fine grain threadでは,タスク単位に並列実行する.並行処理にcoarse grain threadのような制限はないものの,既存のソフトウェアをそのまま実行することはできない.また,専用のタスク・スケジューラを用意する必要がある.MIPS MT ASEでは,fine grain thread用に,FORK(新しいスレッドの生成),YIELD(プロセッサを制御し,ほかのスレッドを動作させる),TERMINATE(スレッドの停止)という三つのRISC命令が新たに定義されている. 

■連絡先
ミップス・テクノロジーズ
TEL: 03-5733-9544
URL: http://www.mips.jp/

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