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International Rectifier,デッド・タイムを15nsに抑えるD級アンプ用ゲート駆動ICを発売
ニュース 2003年10月7日
米国International Rectifier社は,D級アンプ用のゲート駆動IC「IR2011」を発売する.D級アンプはMOSFETのスイッチング動作を利用して信号を増幅するアンプである.電力効率が80%以上と高いため,近年,携帯型のオーディオ機器や業務用アンプなどに利用されている.本ICの出力は100W~1,000Wであり,特にホーム・シアタ機器における需要を見込んでいる.
出力側の二つのMOSFET(+側と-側)を駆動させる際,両方が同時にONにならない(短絡故障しない)ように,スイッチングの時間をずらす必要がある.これをデッド・タイムと呼ぶが,この時間が長くなるほど出力波形のひずみが大きくなる.同社は,+側のMOSFETと-側のMOSFETがONになるタイミングのずれを最大20nsにした.これによって,デッド・タイムの標準値を約50nsに短縮できた.調整すれば15nsまで抑えることができるという.
本ICの耐圧は最大200V.MOSFETの駆動電流は1.0A(標準値).最大動作温度は125℃.パッケージは,8ピンDIP(IR2011)と8ピンSOP(IR2011S)の2種類を用意する.
同社はまた,本ICを搭載したD級アンプ評価ボードを提供する.スイッチング周波数は400kHz(調整可能).定格出力は200W+200W(出力インピーダンス4Ω).電源電圧は±50V.なお,本評価ボードにおけるデッド・タイムは40ns~50ns固定.最大出力時の電力効率は約90%.
本ICのサンプル出荷は2003年末の予定.
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