Cypress，USB接続可能な2.4GHz帯無線通信LSIを2ドル以下で提供

　米国Cypress Semiconductor社は，USBによって接続できる2.4GHz帯の無線通信用LSI「WirelessUSB LS」を発売した．2002年11月に出荷した同社の「WirelessUSB EX」のデータ転送速度が235kbpsであるのに対して，本LSIのデータ転送速度は最大62.5kbps．送信専用LSI「CYWUSB6932」と送受信を行えるトランシーバLSI「CYWUSB6934」の2品種を用意する．主に，ゲーム・コントローラやキーボード，マウスなどに組み込むことを想定している．

　伝送可能距離は最大10m．二つのデバイスを接続したときの伝送遅延は最大4ms．スペクトラム拡散方式の一つであるDSSS（direct sequence spread spectrum）を採用している．デバイスIDなどの情報を付加してデータを拡散させているため，耐ノイズ性が向上する．また，IEEE802.11など，同じ2.4GHz帯を利用する無線通信に対して，干渉が起きない周波数をサーチする機能を備えている．

　USBのプロトコル・スタックを組み込む場合には、CPUを外付けする必要がある．同社は，ゲーム・コントローラやマウス，キーボード，UARTなどのサンプル・コードを提供する（ホストに対する接続デバイス数は2）．

　サンプル出荷はすでに開始している．量産出荷は2003年10月から開始する予定．今後は，伝送可能距離が最大50mの製品や，USBのフルスピード・モード（12Mbps）に対応した製品を開発していくという．

[写真1] WirelessUSB LS用評価ボード

[写真2] WirelessUSB LSを用いたデモンストレーション