[ keyword: Linux ]
MontaVista,T-EngineにLinux実行環境を移植
ニュース 2003年3月18日
米国MontaVista Software社は,T-Engineフォーラムの活動の一環として,T-EngineにLinux実行環境を移植する.これにより,既存のLinuxのアプリケーション・ソフトウェアを,T-Engineの環境で利用できるようになる.
具体的には,T-EngineのリアルタイムOS「T-Kernel」上で,Linux OSを一つのタスク(T-Linux)として動作させる.T-Linuxを開発するため,T-Engineフォーラムは「T-Linuxワーキング・グループ」を設立した(MontaVista Software社が幹事を務める).T-Linuxのインターフェース仕様の策定とプロトタイプの開発を年内に完了し,2004年早々に正式発表する予定.
LinuxをリアルタイムOS上で,タスクの一つとして動かすという発想は新しいものではない.例えば日本エンベデッド リナックス コンソーシアム(Emblix)でも,すでにLinuxとリアルタイムOS(μITRON仕様準拠OS)のハイブリッド仕様を策定している(この仕様書は,EmblixのWebサイトで公開されている).モンタビスタソフトウェアジャパン(MontaVista Software社の日本法人)もEmblixの会員であり,T-Linuxの開発にあたっては,この仕様も参考にするという.
T-Engineフォーラムはだれでも参加でき,フォーラムで策定した仕様など(T-Linuxを含む)は会員にすべて公開される.ただし,T-Engineに基づいた開発物についてソース・コードなどの公開義務はない.一方,Linuxに基づいた開発箇所(T-Linuxなど)を改変して利用する場合は,GPL(General Public License)に基づいて公開する義務が生じる.
[写真1] 発表を行う有馬仁志氏(モンタビスタソフトウェアジャパン 代表取締役社長,左)と坂村 健氏(T-Engineフォーラム 会長 および東京大学 教授,右)
[写真2] T-Engineアーキテクチャの全体像
■連絡先 |